行動分析学



この方法で人と組織を変えることができるって本当?「行動分析学マネジメント」レビュー

「なかなか変わってくれない部下を変えたいけど、どうやったら変わってくれるのだろうか?」管理職の方にとっては悩みの種ですね。管理職だけではございません。変わってほしい同僚と仕事をしている方なら、やはり悩み苦労してるはずです。

いつからまじめで頑張っている人が損する世の中になったのでしょうか。一度体制が出来てしまった組織は、なかなか変わることができないのも納得できない話です。

どうやったら人や組織は変わるのか?いや変えることができるのか?

そんな疑問に対し、解決策を与えてくれたのが、今回紹介する行動分析学マネジメント』です。

 

行動分析学とは?

行動分析学とは何であるかご存知でしょうか?『行動分析学マネジメント』P13から引用します。

行動分析学とは、文字通り行動を分析する科学である。そして、ここでいう「分析」とは、原因を明らかにするという意味である。つまり、人間や人間以外の動物が行う行動にはそれをさせる原因があり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする科学である。

『行動分析学マネジメント』(P13)

抽象的なせいか、なんとなくわかるような、わからないような文章です。具体的に「行動の原因というのはどういうことか?」その理屈を理解する必要があります。

たとえば、部下が「満足に仕事しない」という行動の原因は、「やる気がない」からと考えたとします。しかし「やる気がない」というのは、レッテルであって、「満足に仕事しない」ことの原因ではないということなのです。

なるほど、レッテルだというのはわかりました。では、「満足に仕事しない」という行動の原因は何だというのでしょうか?

それでは、行動の原因はどのように考えればよいのか。スキナーが発見した行動の原理で最も重要な点は、「行動は行動直後の結果によって制御される」ということだ。

『行動分析学マネジメント』(P16)

「んんん?よくわからんぞ」というのが正直な感想ですが、なんとか自分で整理するしかありません。

つまりこういうことだと思います。部下が「満足に仕事しない」のは、「やる気がない」という意識が原因なのではなく、なんらかの行動が原因となり、その直後に「満足に仕事しない」という結果になっていると考える。ということなのでしょう。

では、直後ってどの程度の時間でしょうか?

行動分析学では、目安として、「60秒ルール」と呼ぶように、行動してから60秒以内に起こらない結果は、ほとんど意味がないと考えている。

部下が「満足に仕事しない」のは、「やる気がない」からではなく、60秒前の何かの行動が原因である。極端かもしれませんが、そういう風に考えるということなのでしょう。
あえてまとめるなら、直前の行動の結果、直後の行動が起きると考えればよいのかもしれません。

行動分析学ですが、行動の原因を人格や心でなく、直前の行動と言っているところに好感が持てました。

行動分析学マネジメントについて

結論から言いますと、各章テクニック満載です。覚えきれません。そんな中で、すぐに使えそうだなと思ったテクニックを紹介したいと思います。

行動分析学:好子出現の強化

『好子出現の強化』どうしてこういう言葉を使うのかと突っ込みを入れたいですが、簡単に言うと、何かの行動の後、褒めてあげれば(好子出現)、その行動が増える(強化)ということのようです。例えば、

普段会議で何も言わないAさんが意見を言った(行動)。
それをBさんが褒める(好子出現)。
Aさんはもっと意見を言う(強化)

『好子出現の強化』とは、こういうAさんのような展開にしていくことを言うようです。『好子出現の強化』については、無意識にやっている人は多いと思います。良い事したら褒めてると思いますので。

好子出現の強化があるのですから、その逆もあるわけです。以下は、他のパターンです。

好子消失の弱化:行動に対してよい反応をしてあげないと、行動が少なくなっていく。
嫌子出現の弱化:行動に対して嫌な反応すると、その行動が減る。
嫌子消失の強化:行動に対しての嫌な反応を無くすと、その行動が増加する。

言葉が難しいので、理屈で覚えようとすると難しいですが、無意識でやっていることが多いと思います。それを行動を変えるための手段として、意識的にやるのが行動分析学のようです。

行動分析学:チェイニングとは

チェイニングとは、1つの仕事を細かな行動の連鎖として捉えることで、効果的・効率的な行動マネジメントができるようにすることなのである。

これだけだとなんのこっちゃだと思います。

例えば、営業なら

  1. アポ取り
  2. 訪問
  3. 自社の商品説明
  4. お客様の宿題を持ち帰り、社内に展開
  5. 再提案
  6. 見積作成
  7. 契約

こういったいろんな行動の連鎖があるとします。このとき、新人にあえて最後の「7.契約」だけ担当させる(バックワード・チェイニング)、というテクニックが紹介されています。

このテクニックは目から鱗でした。

たしかに本書のようにうまくいくとは限りませんが、ビジネスの一連の流れのゴールを、新人に最初に経験させるのはありかもしれません。
ただし、このやり方の弱点は、個人主義的な職場(一人で勝手にやれ)では使えないということです。チームワークがある職場なら試してみましょう。

行動分析学:表彰制度

私が一番感動したのは表彰制度の章です。そんなやり方があったのかと、感心してしまいました。

どんな方法だと思いますか?

それは、是非『行動分析学マネジメント』を読んで確認してみて下さい。最近テレビで、行動分析学の表彰制度と似たような方法で管理者を選び、業績を回復している会社が紹介されていました。

行動分析学マネジメントの感想

ストーリー形式で、読みやすい本です。また各章の最後に解説があります。そのため、要点を押さるのが容易な本だと思います。

とくに、目に見える行動ベースでテクニックを使うのがいいですね。うまく行くうまく行かないが行動としてみれるわけです。ただし、そんなにうまく行くの?という疑念は残ります。

人の性格や人格は変えられないけど、行動は変えられる。行動に焦点を当てた「行動分析学マネジメント」、心理学的なアプローチに限界を感じているなら、是非読んでみてください。何かヒントを得られるかもしれません。

 

 

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