2019年10月から消費税が10%になります。それが今後の日本にどのような影響を与えることになるか想像できますでしょうか?
きっと想像ができないと思います、なぜなら初めてのことだからです。そもそも、消費税がどのように使われていたか、今まで日本経済にどのような影響を与えていたさえ、わからないと思います。
「あのとき、自民党に票を入れなければよかった。」きっとそう後悔するときが来るかもしれません。そうなる前に、今からでも遅くはないので、消費税や経済について勉強しておく必要があります。でも、なんだか税金や経済の勉強って難しそうですね。でも、その消費税は、私立Z学園の高橋あさみちゃんがわかりやすく教えてくれるのでご安心を!
しかも漫画なのです。タイトルは「マンガでわかるこんなに危ない!?消費増税」です。
目次
消費税に関する嘘
日本国の借金は1000兆円、国民一人あたり900万円の借金って本当なのか?
現在国の借金は1000兆円と言われていて、国民一人あたりの借金額は約900万円ということらしいのですが、普通に考えておかしいと思いませんか?
国民はいつ誰から900万円の借金をしたのでしょう。私は、いつ900万円も借金を背負うことになったのでしょうか?
いやいや、借金しているのは政府でしょう。政府が国民から借金しているので、政府の言っていることがおかしいのです。例えるなら、私が友人に1万円貸したのに友人から、「お前から1万円借りているからお前が1万円返せ」って言ってるのと同じです。
正直キョトンですね。そんなことを言ってるやつが友達だとしたらかなり気持ち悪いですよ。
それと、財政破綻すると騒いで何十年経過したでしょう。なんだか20~30年は経過したように思います。20~30年前に破綻論が出ていて、その後まったく借金が返済されていなく増え続けているのに、日本が破綻するその気配がありません。一体、どうなっているのでしょうか?
国から発表されている情報ですが、怪しいものです。そして、それを精査することができない国民にも問題があります。勉強不足なのですね。でも、今さら学生に戻って1から経済の勉強をしろって言われても、無理な話です。
でも、大丈夫です。この本の主人公である高校生の高橋あさみちゃんが、消費税について丁寧に教えてくれます。分厚い経済本を読まなくても要点が掴めますよ。
なんと国の資産も1000兆円です
あさみちゃんは言います。
「お伝えしましょう。国の資産はなんと約1000兆円!!なんと日本は世界一の対外純資産の保有国なのです」
マンガでわかるこんなに危ない!?消費増税(P31)
借金は1000兆円、資産は1000兆円。
ん?・・・問題ないんじゃないか?
あなたに100万円の借金があったとします。同時に100万円の貯金があったとしたら問題でしょうか。例えば、何かしら事業を始めるために、資産がある状態で借金していたとしたら問題でしょうか。
もう少し身近にな例にすると、家のローンが2000万あった場合、いきなりそれが問題になるかということです。ならないですよね。なぜなら、働いているため将来の収入があるからです。それに、もしローンが返せなくなったとしたら、家を売ってローン返済を考えることになります。家という資産があるからローンが返済できるのです。つまり、借金だけみて騒ぐのではなく、資産も見なくてはなりませんが、国の場合、借金しか語られていないのですね。
資産が1000兆円あるなら、借金1000兆円は問題なさそうに感じます。
では、政府の借金、つまり発行した国債は誰が保有しているのでしょうか? 次のグラフをご覧ください。
実は、日銀が約46%保有してます。日銀は政府の子会社のような存在です。つまり日銀と政府は統合政府なので、借金として計上しなくていいのです。すると借金がかなり減りますよね。半分くらいになりそうです。
あえて資産1000兆円あることや、統合政府として考えた場合のことは言わず、国民が勝手に誤解するような表現を使っています。わざわざ借金を大きくみせようとする政府の発表は正直疑問です。
消費税の使い道の嘘
何故、消費税率を引き上げたいのか?
では、借金があっても同額の資産があるから問題ないと思われるのに、何故消費税率を上げたいのでしょう。その理由はこちらから確認できます。
このページにかかれますように、社会保障にかかるお金が足りないので税収UPしたいけど、法人税や所得税は安定財源ではないから、安定財源の消費税率をUPして社会保障費に充てたいというのが表向きの理由です。次の内閣府のページにも全額社会保障に使われますって書かれてます。赤丸で囲ったところです。
<http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/index.html>
本当に社会保障に使っていただいているなら、納得できますが・・・
消費税収上げても、全額社会保障に使ってないじゃん!!
あさみちゃんは言います。
2014年の消費増税のときに「増えた税収は全額社会保障に使う」と公約に掲げた自民党だったけど、実際に使われたのはたったの2割だった!
マンガでわかるこんなに危ない!?消費増税(P88)
本当にでしょうか。もし、そうだとしたら、それは絶対に許されるべきではないです。
ということで、2割の根拠データを探してみました。
れいわ新選組の山本太郎事務所が公開している資料を見てみましょう。資料はこちら「山本太郎事務所」です。
なるほど、このグラフで確認できる消費税収全体のうち、赤い部分しか社会保障費に使っていないとしたら、たしかに増収分は全額社会保障費に使うという約束を守っていないことになります。
「まさか・・・計算間違いじゃないの?もしくは引用データの取得ミスじゃない?」という疑いもありますので、山本太郎氏が引用していると思われる資料を探してみます。
それが、「首相官邸HP」の「資料2」のようです。その資料が「社会保障と税の一体改革における財源・使途の状況」でして、1ページ目が引用元のようです。
山本太郎氏の資料の裏が取れました。
いやいや、びっくりです。5%から8%にアップして、税収が8兆円増えたなら、社会保障費は8兆円になっていなければおかしいですよね。増税した分は、全額社会保障に使うと言って、実は全額使っていないようです。
政府が簡嘘をついています。本当にこんなことが許されていいのでしょうか。では、社会保障に使っていない分は何に使っているのでしょう?
消費増税は、法人減税の穴埋め
次のデータは、財務省のホームページから確認できます。引用元はこちらです。「財務省 税収に関する資料ページ」
法人税が減っている代わりに消費税が増えているのがわかりますか? つまり消費税は法人税の穴埋めに使われているのです。もし法人税率が変わらないまま、消費税収がUPしているならこういうグラフにはならないですよね。
お金持ちが優遇されて、貧しい人から搾り取る。そんな制度になっているにも関わらず、暴動がおきない日本。そんなところが日本人の素晴らしさなのです。と言いたいところですが、それは褒められるべきところではないですよね。
消費税が上がることの問題
安倍内閣が約束を守っていないのはわかりました。しかし、いくらなんでも、デフレ状況で消費税を上げるは愚策すぎます。そんなことをやっている先進国は世界にないでしょう。それでも消費税率をアップするのが日本なのです。
では、何故、デフレ化で消費税率を上げることが悪いのでしょうか?
それは、日本国の経済が成長しないからであり、当然のごとく国民生活が豊かにならないからです。
消費税というのは消費に対する罰金のようなもの。消費するなと言ってるのに等しい税金だから当然消費が落ち込みます。国民が、消費しないのですから、生産してる企業が儲かりません。儲からなければ、生産量を減らさざるを得ません。生産量を減らすなら雇用も減らすことになるでしょう。社員に払う給料も増やせませんし、給料が増えなければ国民は消費を減らします。
こういう負の連鎖がおきてしまいます。日本は少子化のため、成人の働き手が少なくなっていっています。そのため人手不足状態ですので、利益が少ないからと雇用を減らす必要はなかったかもしれませんが、これからはどうなるかわかりません。
国家レベルでは、当然国防にもつながる問題です。経済力が上がれば、防衛費を増やすことができます。現に経済力が大幅に上がって、軍事費を増強させ、強い国家になっている国を知ってますでしょう。そう中国です。
何故、そういったことが数字で分かっていて、平成30年間失敗しているのに、それでも同じ策を続けるのでしょう。怖い話です。
でも、それでも続けることには理由があるのです。
消費税を上げる理由
政府の目標はPB黒字化
それは、PB黒字化目標という政策があるからなのです。
PBとは、primary balance(プライマリーバランス)の略で、PB黒字化目標を簡単に説明するなら、政府の支出より収入が多い状態を目指しましょうってことです。
一見すると、この目標はいい目標だと思いがちなのですが、政府が黒字になるということは誰かが赤字になるってことです。
では、誰が赤字になるのでしょう?
それは、国民です。PB黒字化目標とは国民赤字化目標と言ってることと同じなのですね。国民から税収という方法でお金を奪って政府を黒字化する制度だからです。
PB黒字化してデフォルトした国
そしてあさみちゃん曰く、PB黒字化を達成して財政破綻した国があるとのことです。
一体、どこの国でしょう?
正解は、アルゼンチン(2001年)とギリシャ(2015年)です。
「なぜ、PBが黒字化して財政破綻するの?」という疑問があると思いますが、それは、政府が国民から金をとり続けて国民が貧乏になったからです。
国民が貧乏になったということは、消費も落ち込むわけですからGDPが悪化していきます。GDPが悪化しているわけですから、失業者が増える・・・当然また消費が落ち込む。この負の連鎖が続き、デフォルトにつながっていったとのことなのです。また、アルゼンチン(2001年)とギリシャ(2015年)の場合、自国通貨建ての国債を発行していなかったことも要因ですが・・・。
そのような事実があっても、日本はPB黒字化目標を目指すのです。
借金1000兆円を返済するためと言いながら、実は資産が1000兆円あって資産状況は問題ない。円を発行できる政府の借金ほぼ全部が円での借金であるため、デフォルトする心配がない。税収UP分を全額社会保障に使っていないにも関わず、社会保障費が不足していると消費税収を上げる。そしてそれに対して文句があっても、結局自民党に1票入れてしまう国民。
なんだか日本というのは、よくわからないことが起きている国なのです。
「マンガでわかるこんなに危ない!?消費増税」まとめ
ここまで、経済学者でもない私がいろいろと消費税について述べましたが、こういったことが全部この漫画であさみちゃんが教えてくれます。
消費税の本を読んだら、専門用語だらけでわけがわからないのですが、このマンガを読めばわずか1時間程度の読書時間で、かなり消費税のことが理解できます。
今回のこのマンガを読んで、私が自国の消費税についてまったく何も知らなかったことを理解しました。そして、選挙でも間違ったところに投票してしまっていたことも理解しました。その無知のせいで、成人した自分の娘の負担が増加しているかもしれないことに対して、反省しております。
今からでも遅くありません。次世代のためにも消費税について勉強しましょう。