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文章は仮見出しのフレームワークで速く書く。人生は仮目標で楽に生きる!

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よく文章書いてる人なら、速く書きたいと思うところでしょう。しかしながら、なかなか速くは書けないもの。

「言いたいことが思いつかない」「ネタを思いつかない(0から作れない)」などの理由で、書き始めれない問題があります。文章を書く悩みの中でも大きい部類の問題な気がします。
例えば「伝わらない」「構成が下手」「書き続けられない」などの問題は、書けるようになった後の悩みであり、トレーニングでどうにかなりそうなイメージがあります。しかし、「書き始められない」については、書く前の悩みです。どんなトレーニングがあるのかイメージがわきません。

今回紹介する本は、なんと、その「書き始められない」問題を解決できそうなのです。しかも、本のノウハウを試してみると、結果的に「言いたいことが思いつく」という経験もできました。
「もう書き始められないなんて言わない」
この本のやり方なら、そう言えるようになるのではと期待できそうです。魔法の書に近いかも。

朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術

仮見出し・二段論法、仮に置く意味が学べる

本書の魅力は、仮見出し・二段論法という文章術で、第1部で解説されております。第2部は、文章マネジメント術の解説で、文章術の本を読み慣れている方からすると、再認識するような内容と言えるでしょう。

第1部は「期待を裏切らない内容であり、いい意味で期待を裏切られた」というのが読了後の感想です。私は文章術の本は好きでよく読みますが、文章術の本は、外れが多い感じてます。しかし本書は、良書の部類になると評価します。

その第1部で何を学べるか、簡単ですがまとめてみました。

第一部 仮見出し・二段論法
第1章 仮見出しの付け方や仮置きする意味を解説している章。
どんな見出しなら読みたいと思うか、見出しの三大ルールで、読み手の好奇心のギャップを刺激する。見出しのつけ方は、見出しづけの3つヒントを参考にして要約力を身につける。さらに上級編フレームワークとして見出しのABCD分析で魅力的な見出しを作り方、情報過多の時代で目を引く見出しをつくための七つの小技など解説。
仮置きするには意味がある、これから書く文章の方向性が定まります。個人的にはこの第1章を読んだだけで「この本は当たりだ」と確信。シンプルだが確実に文章力が上がりそうな方法のため、読んでいて思わずニヤけてしまうほどの満足感。繰り返し読みたいところです。
第2章 二段論法によるリード文の書き方を解説している章。
二段論法とは、次の①~④の4パターン
■ビジネス基本形「結論+結論」として次の3パターン
①結論+(そして)+結論(順接)
②結論+(しかし)+結論(逆説)
③結論+(なぜなら)+結論(理由説明)
■エンタメ応用形
③結論+疑問
仮見出しに続くリード文の書き方①~④の解説は、すぐに実践したい。

見出しの三大ルールと見出しづけの3つのヒントで的確な見出しを置き、リードは二段論法で書きます。仮見出し・二段論法のやり方が身につくとどうなるかは、著者は「はじめに」で次のように言われております。

本書の狙いはこうだ。
「伝えるべきことを的確に、すらすら書けて、意図した結果が手に入る」
実社会で最も必要とされる「速く、わかりやすく書く技術」とも言い換えられる。第1部で詳しく解説する「仮見出し」「二段論法」の考え方を頭に入れれば、書くことに対する抵抗感が薄れ、どんな話題でも

(中略)

本書が想定する読者は、働き盛りのビジネスパーソンだ。文章力の伸ばし方は、日頃目にする機会がない添削の過程と考え方をステップ・バイステップで見せることが、最も理解につながると考えた。ニュース記事でだけでなく、ビジネスの現場で実際に使われた報告書やメールなど数多く引用して、「ビフォー・アフター」で書き直し方を示している。

(中略)

本書を通して「仮見出し・二段論法」などをマスターすれば、読み手に真意をいち早く伝え、興味を持って最後まで読んでもらう理想に一歩近づく。

朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術(P5)

「伝えたいことを的確にスラスラ書けるようになる」これが書き手にとってのメリットです。
また、本書のP51に書き手のタイプとして、下記の2つがあげられております。たいていの人はどちらかに属すると思いますが、どちらのタイプであっても「仮見出し・二段論法」で「伝えるべきことを的確に、すらすら書けて、意図した結果が手に入る」ことができるようになると思われます。

書きながら考えるタイプ(計画するより、どんどん書き進めたい)・・・6割
考えてから書くタイプ(書き始めるより、計画をまず立てたい)・・・4割

そう思う理由について、これから述べさせていただきます。

仮見出しのフレームワークで速く書き、読み手を惹きつける

上阪徹氏の著作「超スピード文章術」が参考になりますが、速く書く方法として、箇条書きでアウトラインを書く方法があります。考えてから書くタイプの方は、アウトラインを書くから始めているのではないでしょうか。

しかし、アウトラインを書く人も、「書き始められない」という壁にぶつかることはあります。言いたいことがまとまらなければ、スラスラ書けなくて当然でしょう。では、『スラスラ書ける人=新聞記者』と、何がどう違うから「書き始められない」という壁にぶつかるのでしょうか。それがわかれば、壁を避け、スラスラ書く近道を見つけることができます。その近道であるのが、仮見出し・二段論法というフレームワークです。

では、アウトラインを考える以外に、新聞記者がルーチンワークとしていて一般的な社会人がしていないことは、何だろうか。そこに文章を書く上での「的確さ」や「速さ」の差を生む源泉があるはずだと考えた。

大きな違いの一つは、初稿を書き始める前に、文章の「見出し」(タイトル)を仮置きすることに、どれだけ意識を払っているかだ。繰り返しになるが、文章のアウトラインを考える力や経験の差ではない。
本書では、見出しを仮置きすることを「仮見出し」と呼ぶ。次の項から具体的に解説する。ここでまず「文章のアウトライン・構成作りに、こだわり過ぎなくていいのだ」と心して、気持ちを軽くしてほしい。

朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術(P53)

スラスラ書ける人と書けない人の違い。それは仮見出しを考えているかどうかとのこと。最終的な決定は後でよく、とりあえず仮で見出しを立てることなのです。
では、なぜ仮見出しを置くとスラスラ書けるのでしょうか。著者はこう言ってます。

速さを競うデジタルメディアでは、とりあえずの「見出し」をつけて公開しておいて、後から情報が更新される度に、見出しを変更することがよくある。
これと同じように、言葉として仮見出しを一度、アウトプットする。そうすることで、「これから何を書きたいか」「書くべきか」という思考や情報が整理される。「この仮見出しなら、こんな情報が足らないのではないか」と、アイデアの呼び水となることもある。
文章を思いつくままに書いて、最後になってから「見出し・タイトル」をつけるのではなく、最初に不十分でも「仮見出し」を立てておき、後から臨機応変に書き換えていく。このやり方を実践してほしい。

朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術(P85~86)

仮見出しを置くことで、文章を書くアイデアが浮かんでくることがあるとのこと。だから、スラスラ書けるようになるわけです。

私は見出しを置くやり方はやっていましたが、それでもなかなか書けないことが多々あります。そこで、何を書くべきか悶々としていた時、実際に本書のルールで仮見出しを立ててみたところ、たしかに著者が言う通り、何を書くべきか言いたいことが浮かんできました。この経験には驚きました。見出しの立て方にもコツがあったことがわかったからです。

ポイントは、ただ仮見出しを置くことではなく、本書で紹介されている三大ルールに従って仮見出しを置くことだと思われます。そして、仮見出しのことばかり書いてしまいましたが(それだけ仮見出しはインパクトがでかい)、二段論法4パターンも優れものです。4パターンで大抵の文章のリード文が書けてしまうからです。本書の解説を読めば、二段論法で書かれた文章のわかりやすさに納得いただけると思われます。

その二段論法ですが、仮見出しとリード文で内容を一致させるというルールがありました。ルールを守るために文章要約力をトレーニングする必要もあり大変かもしれませんが、内容が一致しないと読み手が混乱してしまうため必要なルールとのことでした。詳細に興味がある方は、是非本書の仮見出し・二段論法をお試しいただくとよいでしょう。

まとめ

仮は文章の見出しだけでなく・・・

ここまで、仮見出し・二段論法についての感想を述べてきました。
書きながら考える人も、考えてから書く人も、書き始められない問題はあります。しかし、本書の仮見出し・二段論法なら、その問題が解決する可能性大であることは先述したとおりです。

仮見出しを置くことで、書き手は書く方向が定まります。魅力的な見出しに読み手は惹きつけられ文章を読みます。リードも二段論法で書くことで、書き手は見出しに沿った結論を書く、読み手も結論が先に書かれていることで読みやすくなります。書き手にも、読み手にもそんなメリットがあるわけです。

しかも、ビジネス文書だけでなく、その他さまざな書く場面で、間違いなく使えるだあろう仮見出し・二段論法。本書P158以降に、仮見出し・二段論法での書き方の解説がありますが、パラグラフ・ライティングに似ているため、すでに論理的な文章術の知識がある方にも馴染める文章術だと思います。

ただし、仮見出し・二段論法は、シンプルとはいえ、トレーニングは必要です。いきなり見出しもリードもうまくなるのは難しいでしょう。多少努力が必要なので、魔法の書ならずですが、本書の努力は楽しめそうです。

「まずは仮でいい。」

これは文章術だけではなく、人生にも通じるのではないでしょうか。人生における目標も「仮でいい」のかもしれません。目標がないなら仮目標を考え、そこに向かって進めるのもありなのでは?
結構奥が深い本でした。

 

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