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自分の経験こそ自分の教師。人生をコントールするための最強の経験学習とは?

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学んだことを覚えていない、身についていない。結果、何度も同じような学びを繰り返してしまう。このような時間の使い方をしてきた私ですが、はっきり言って時間の無駄遣いだったと反省ばかりでした。

若いときは時間に余裕がありますから、無駄遣いもOKでしょう。しかしながら、すでに人生の折り返し地点を超え、そろそろ無駄遣いができなくなってきましたので、いい加減いつまでも時間に余裕があるとは強がれなくなってきているのも反省要因です。

未熟な私は、あの世に持って行けないお金を稼ぐことよりも、自分を磨きあげることに人生の時間を費やしたいと思ってます。ですから、これから死ぬまでの間は、学んだことを確実に身につけることができる効率よい方法が知りたいわけであります。そして、願って探せば必ず見つかるものです。

 

 

最強の経験学習から学び方を学ぶ

最強の経験学習か:学びの四つのステップ

私が経験学習に注目したのは、以前紹介したことがある愛読書の一つである「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」という本のP280ページに、デイヴィッド・コルブ氏の『経験学習モデル』について、「私たちの能力は、このサイクル(下記画像参照)を回していく中で、成長していく」と記載されていたからです。

「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」より

 

今までの学びが身についていない原因は、経験学習のサイクルで言えば、四つのステップのうち、ステップ1(具体的経験)からステップ2(内省的観察)しか行っておらず、ステップ3(抽象的概念化)、ステップ4(能動的実践)を怠っていたわけですから当然なのです。この点は納得できます。

また、このステップ3(抽象的概念化)、ステップ4(能動的実践)も、ただ単純に「行動せよ」といったような単純なものではないところが、理論らしくて学びへの期待が高まります。

また、経験学習を理解することでどんな得があるかも気になるところですが、本書P6に次のように書かれてました。

本書を読めばあなたも、すでに大学や組織のプログラムを通じて経験学習を活用している人たちと同じように、このアプローチを意識的に使って自分自身を変えることができるようになります。あなたの人生を自分でコントロールできるようになるはずです。さらにこのプロセスは、パフォーマンスの向上や、新たな学び、目標の達成にも役立つでしょう。きっと、経験学習のプロセスと、あなた自身の学びの傾向を理解することが、自己変革と成長のカギだということがおわかりいただけるはずです。

最強の経験学習(P6)

人生をコントールできる? 本当にそんな効果があるのか?と思うところですが、学びが身についていないからダラダラしているわけであり(汗)、もし学んだことがしっかりと自分の能力として身についたなら、たしかに自分の人生を変えることができるかもしれません。

それに「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」にも登場した理論ですから、コルブの経験学習を理解し行動していくことは、無駄な学びにはならなそうです。そうわけでして、本書を読了したわけですが、新たな気づきがあり、『4つの学習のサイクル』と『9つの学習スタイル』は、かなり参考になりました。

学びの後の実践、経験学習ならできないことはないはず

経験学習のサイクルとは、『具体的経験』⇒『内省的観察』⇒『抽象的概念化』⇒『能動的実践』のサイクルのことです。もっと簡潔に言うと、『経験する』⇒『検討する』⇒『考える』⇒『行動する』です。

経験学習のサイクルは、「経験する」、「検討する」、「考える」、「行動する」の四つのステップで構成される学習プロセスで、あらゆる場面で何度も使われるものです。初めて誰かと会うときは、一緒にいて相手の名前を聞くという「経験」に関心を向け、相手の人柄を感じ取りましょう。名前がよく聞き取れなかったときには会話のベースを落とし、もう一度名前を教えてほしいと頼んでみましょう。恥ずかしがらなくても大丈夫。ほとんどの人は、あなたが自分の名前を正しく覚えようとしてることを嬉しく思うものです。次に、その人と会った経験と、相手の名前があなたにとってどんな意味を持つかを「検討」しましょう。検討したことと、あなたの頭の中のそのことに関連した情報を結びつけて考えてみましょう。たとえば、「私の妹もベティだけど、ここにいるベティは私が知っているベティとは別の人物。社長室では今ベティの他にサラとカイルが働いているみたい」といったことです。そして最後に実際に「行動」してみましょう。相手との会話の中で何度かその名前を口にし、その後、別の人との会話でもその名前を言ってみるといいでしょう。

最強の経験学習(P33~P34)

例えば、仕事でAという人と出会ったら(経験)雰囲気などで「いい人かそうでない人」か「自分のビジネスパートナーになれるか」と想像すると思います(検討)相手のことを知ったら自分の経験と照らし合わせて、「この出会いは良い出会いかも」「この人とはこんなビジネスができそうだ」とか「あの人に似ているから仲良くやれそうだ」といったような出会いに対して何かしら考えが浮かぶかもしれません(考える)そしてお近づきとして相手の名前を覚えたり関係を築くために、Aさんを名前で呼んだり、アフター5に誘ったりするでしょう(行動)。

このような流れを経た結果、ビジネスがうまくいったとしたら(成功)、きっと同じような流れを新しい出会いに活かしていくと思います(再現)。当然、新しい出会いで得た違うパターンも学びになり、その繰り返しで、能力が上がっていくわけです。

もしかしたら「単純に、学んだら行動すればいい、それだけの話」と理解されるかもしれません。実際に私も、「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」を読了した時点では、その程度の理解でしかありませんした。しかし、本書「最強の経験学習」を読んで、その理解が間違いであると認識しました。それは、本書P36のイメージ図を見るとわかると思います(下記参照)。

最強の経験学習(P36)

中央に十字矢印があるのがわかると思いますが、どうやらこの部分が重要なことがわかりました。

学習サイクルがどのように私たちの人生を変えるのか、図1を使ってさらに詳しくみてみましょう。外側の矢印にあたる学習のサイクルの四つのステップは二つの方向の反対側に位置し、十字型の縦軸は世界を理解する方向を表しています。私たちが古いフォードを認識するのは、その車自体と古い部品を「経験する」からです。一方、車に関する知識は市場に存在するさまざまな車種の機能や価格について「考えて」、自分なりに解釈することで生まれます。この「経験すること」と「考えること」は世界を知るためのそれぞれ別の方法といえます。「経験」は現状に対して直接的、かつ具体的なのに対して、「抽象的な思考」は普遍的でどのような状況にも適用できます。ですが、「経験すること」も「考えること」もそれぞれが単独で機能することはありません。効果的な学びのためには、二つの方向、すなわち四つのステップすべてを使用する必要があります。

学習のサイクルのもう一つの方向である横軸は「検討」と「積極的な実験」で、この二つは「経験したこと」の形を変えて「考えたこと」に結びつける方法です。私たちは、ワイパーの故障という経験をすると、その経験にどんな意味があるかを「検討」し、新しい車の洗濯と結びつけます。そして車に関する抽象的な思考から、調査して試乗するという「行動を起こす」ことによって、車の購入を決定するのです。
検討することと行動することは、経験と思考から学びを生む方法です。検討するだけで行動に出なければ変化を起こすことはできず、また、選択肢を前にどうしていいのかわからなくなってしまうかもしれません。

最強の経験学習(P36~P37)

『具体的経験』『内省的観察』『抽象的概念化』『能動的実践』のサイクルだけでなく、『具体的経験』『抽象的概念化』理解のプロセス『内省的観察』『能動的実践』変化のプロセスである、この部分を押さえておく必要があります。

というのも、多くのケースでは『具体的経験』『内省的観察』という経験だけのプロセスで止まってしまうことが多いと思われます。例えば、本を読んで気づきを得た、資格を取得してそのまま、オンライン学習を終了してそのままなどが、経験したままの状態だと言えます。

なぜ経験から先の行動に進まないのか。それは、「めんどくさい、勇気がない、いまいち学びが消化できていない、自分にはできない」など、ネガティブな理由があるでしょう。

こういったネガティブな感情が生まれるのはよくある話だと思いますが、経験学習の観点から見てみると、ネガティブな感情が芽生えることじたいがおかしいことに気づきます。というのも、そもそも『抽象的概念化』『能動的実践』アクションは、その前の『具体的経験』『内省的観察』のステップを経験していれば、行えるであろうアクションだからです。

『抽象的概念化』『能動的実践』は、0から1を生むアクションというわけではありません。自ら経験したことから、「自分ならどういう言葉で説明できるか、どういうアクションがが取れるか」というステップです。すでに自分がもっているものからアクションを導くものですので、自分にできることなのです。

学びは他人と比較するな、自分の中で意味があればよいではないか

もう少し具体的に考えてみます。
例えば、起業のセミナーに行ってモチベーションアップし、いきおいで何十万の講座を購入したとします。何か月間かの学びを経て全工程が終了したしました。あとは行動するのみです。しかし、いまだに行動していません。講座の講師は行動せよ言い、成功しないのは行動しないからだと言われます。わかっているけど、勇気もないし自分にはできない気がするのであきらめることにし、お金が無駄になったと悔やんでしまいました。

こういうケースでは、「ああ、無駄なことをした。自分って駄目なやつだな」とネガティブに思ってしまうかもしれませんが、はたして本当にそうでしょうか。経験学習のサイクルを通して見つめ直してみれば、決して駄目だというわけではないと思います。

なぜなら、そもそも駄目だと思ってしまうのは成功者の成功パターンで行動できたかどうか比較したからだと思われるからです。しかしながら、どうでしょう。成功者の成功パターン以外に自分ならこの学びをどう活かせるかと考えたことがありますでしょうか。『抽象的概念化』『能動的実践』ステップとして、今回の講座での学びを自分なりの言葉で説明できるようにして、今の自分にできることを導けるなら、なにも成功者の成功パターンどおりでなくてもいいではないでしょうか。

つまり成功者の『抽象的概念化』『能動的実践』ではなく、自分なりの『抽象的概念化』⇒『能動的実践』と進んだところで、それが駄目だとは思えないのです。自分で経験し学ぶわけですから、成功者のコピーでなく、自分の中で何かしら意味があったらそれでよいのですし、意味あるような『抽象的概念化』⇒『能動的実践』を形成すればいいのです。

最強の経験学習から学び方を学ぶ:まとめ

なぜ、学びが身につかないのか?

それは、経験学習の観点から見れば、『具体的経験』や『内省的観察』だけで終わっているからであることがわかりました。学びを自分のものにしていくには、『抽象的概念化』や『能動的実践』という行動が必要です。行動と言っても成功者や本に書かれた行動だけではありません。学びを自分の中で抽象化し自分の言葉で説明できるようにして、そこから生まれる自分なりの行動だってあります。むしろ自分から生まれた行動の方が、自分の人生にとって大事なことだと思います。

なお、本書、最強の経験学習では『9つの学習スタイル』という概念があります。自分はどの学習スタイルなのか、自分が教えているあの人は、どんな学習スタイルなのか、そんなことも参考になると思います。

学び方を学ぶことは、自分の人生を良い方向に導くだけではありません。自分の教え方を相手に押しつけず、相手の学び方に合わせることができるよう教える能力を上げていくことにもつながります。そんなことを次の目標にしていきたいと思わせてくれた良い本でした。

 

 

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