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問題解決するなら、問題志向アプローチと解決志向アプローチのどちらがよいか?

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「誰の責任だ!何が原因だ!」問題が発生すれば、原因を追及するのは当たり前ですが、そのままズルズルと責任をなすりつけあうだけで、議論が進まなくなるのは、お約束の展開です。理不尽な言い訳、強引な言い訳、結局のところ最終的には誰に責任があるのかうやむやで終わるのがほとんど。うんざりする話です。

こういう話は職場を問わず、どこにでもある話だと思いますが、もし、そんな無駄なやりとりに巻き込まれず、さくっと解決方法があるとしたら、どうでしょう? そんな方法(スキル)があるなら身につけたいと思われるのではないでしょうか。

その方法については今回紹介させていただく書籍、解決志向(ソリューションフォーカス)の実践マネジメントで学ぶことができます。

解決志向アプローチとは?

プロブレム・フォーカス(問題志向)も大事だけれど

冒頭で述べたような原因追求は、プロブレム・フォーカス(問題志向)と言います。製品生産の現場では、問題が起きたら何が原因かを突き止め、再発防止に努めるのは大事なことです。

しかし、人間の責任問題となると必ずしもプロブレム・フォーカス(問題志向)がよいとは限りません。犯人さがしは大事ですが、責任のなすりつけあいに発展すれば、職場の人間関係がこじれ、組織がギクシャクすることになるでしょう。そのような職場で働くのは遠慮したいものです。

そこで登場するのが、ソリューション・フォーカス(解決志向)アプローチなのです。

ソリューション・フォーカス(解決志向)とは何だ?

ソリューション・フォーカス(解決志向)とは何でしょうか?
ソリューションフォーカス・アプローチは、心理療法ブリーフセラピーの一流派です。本書は、そのソリューションフォーカス・アプローチをビビジネスのマネージメントとして、活かしていくことを学べる本です。

ソリューションフォーカス(解決志向)・アプローチは、「問題志向」と対極に位置する手法です。
問題を深く分析するかわりに、
「どうなりたいか」
「何を手に入れたいか」
という未来のイメージを作る過程を先行させ、そこから目の前の具体的な行動を変化させるよう導いていきます。
たとえば、部下が期待どおりの仕事をしていないとしましょう。「なぜできていないんだ」という方向で原因を追究するかわりに、
「ここまでができていて、これから何ができる可能性があると本人が思っているか」を一緒に確かめていくという立場で接していきます。

解決志向(ソリューションフォーカス)の実践マネジメント(P12)

どうしても問題追究を優先したいと思いますが、まず問題解決を先にやりましょうということですね。例えば、割れている窓ガラスを発見したときに、「誰が割ったのだ」「何故割れているのだ」と問題を追究する前に、まずは窓ガラスを直しましょうということです。

解決志向アプローチがよい理由

では、問題志向より解決志向の方がより理由は何でしょうか?

本書の46ページから引用します。

想定外のことがあらわれても、エマージェントなものを大事にして、それをいつも取り込んでいく考えを持っていれば、
同じ計画でも柔軟性を持たせることができます。想定外のことを常に取り込んで軌道修正することができれば、実行する現場の人にとっても最も無理のない動きが取れるのではないでしょうか。
その意味で、ソリューションフォーカス・アプローチは、社内的にいえば上司やグループのまとめ役にあたる人たちが心得ておく必要があるでしょう。上司やグループリーダーなど影響力のあるポストの人が問題志向だと、部下がマイナス思考に陥り、パフォーマンスの低い組織をつくってしまう可能性があります。

解決志向(ソリューションフォーカス)の実践マネジメント(P46)

想定外というのは、計画が進んでいるときに発生する「予定外の出来事」のことです。
問題志向だと解決まで時間がかかります。そのせいでメンバーのモチベーションの低下を招くことも、パフォーマンスの低い組織を作ってしまうこともあります。それはあまりよろしくない方向ですね。

毎回、問題志向で解決までに多くの時間を犠牲にしている方は、原因追究ではなく、ソリューションフォーカス・アプローチに切り替えて対応されてはいかがでしょう。きっと解決が早いと思います。

それに、問題解決するのはリーダーだけではございません。メンバーだって問題解決します。また、問題は会社だけでなく、プライベート

解決志向アプローチ:3つの基本哲学

ソリューションフォーカス・アプローチには3つの基本哲学があります。次の3つです。
この3つの基本哲学を守るのです。簡単なことのように思われると思いますが、問題にとらわれているときは、この3つの基本哲学ができていないのです。

①こわれていないものを直そうとするな(うまくいっているなら変えるな)
②うまくいっていることを見つけそれを増やす。
③うまくいっていないなら、違うことをやる。

どうでしょう。職場を想像してみてください、今までできていましたでしょうか?

例えば、営業なら、次のように考えることになりそうです。
・もし、定番の広告で売れているなら、その広告を使用し続けましょう。
・今までの広告で売れなかったので、新しく広告にして売れたなら、その広告をばらまこう
・もし広告そのものでは売れないなら、違う方法で営業しましょう。

うまく行っていないときほど、この3原則を守って、問題解決を優先してみましょう。

解決志向アプローチ:例外探しの質問

『問題には必ず例外(良いとき)が存在する。そして、例外はすでに起こっている解決の一部である。』

ブリーフセラピーにはそういう考え方があります。そのため、例外探しの質問は非常に大事なのです。

「比較的良いときがありましたか?」

問題が発生してるときに、このように質問して(考えて)問題の中の良いところを見つけようとします。もし良いところがあったなら、それをさらに続けることで良いところを増やせばいいですし、無ければ違うことをすればいいわけです。

ここでポイントなのが、例外探しをあきらめないということ。無いと言われても(思っても)あきらめず、有るはずだと追究することです。原因追究は後回しにして、例外探しは良いとこ探しでもあるのでしつこく質問しましょう。そのうち良いところがきっと見つかります。

ソリューションフォーカス・アプローチには、他にも解決を構築するための質問があります。例えば、本書ではミラクルクエスチョンやスケーリングクエスチョンなどが紹介されています。興味がある方は、本書で確認してみてください。

解決志向(ソリューションフォーカス)の実践マネジメント:まとめ

本書は、難しい心理療法であるソリューションフォーカス・アプローチを産業向けにわかりやすく解説されており、心理療法的な書籍に抵抗がある人でも読める内容と思われます。

問題が起きたとき、解決した状態に焦点を当て対応する。簡単なことなのですが、意識していないとなかなかできない思考です。もちろん、テクニカルな問題は、原因追究が必要です。しかし、人の責任を問うようなケースになると、責任のなすりあいで解決まで長引きがちです。そのようなケースでは、問題志向アプローチは向かない思われ、解決に焦点を当てた方がよいと思われます。

もし、日ごろ問題志向なやり方でご苦労されているなら、早く問題解決をするためにも、ソリューションフォーカス・アプローチのノウハウをお試しいただくのがよいでしょう。

 

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