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好きなタイプ嫌いなタイプというように、当たり前のように使っているタイプという言葉があります。一体タイプとは何か何でしょうか。
定義があやふやなまま使っても、なんだかんだと役に立つ言葉であるタイプですが、そのタイプをきちんと定義付けたものがあります。それがエニアグラム9タイプです。
自分はどんなタイプなのか、相手はどんなタイプなのか。どんなタイプが好きであり嫌いなのか、それが正確にわかったとしたら、どのような価値があるでしょう。
何十億人と人がいてたった9つのタイプに収まるとは考えづらいのですが、しかしながら、なるほどと思えるところもある。
そんなエニアグラムについて書きたいと思います。
目次
9つの性格
エニアグラムの無料診断で自分の9タイプを知ろう!
エニアグラムとは、人間の性格を9つに分類した性格タイプ論であり、自分はどんなタイプか知りたい方に、数分で答えを返してくれるすぐれものです。もし、自分がどのタイプであるか知りたいなら、本書のようなエニアグラム関連本を購入し診断テストを行ってみるもよし(本書のP40からの質問診断で自分のタイプを知ることができます。)、次のようなサイトで無料診断を受けてみるのもよし、まずはご自分がどんなタイプであるか知ることから始めてみましょう。
なお、本書では、エニアグラムの9タイプを以下のように表現しています。
タイプ1 | 完全でありたい人 |
タイプ2 | 人の助けになりたい人 |
タイプ3 | 成功を追い求める人 |
タイプ4 | 特別な存在であろうとする人 |
タイプ5 | 知識を得て観察する人 |
タイプ6 | 安全を求め慎重に行動する人 |
タイプ7 | 楽しさを求め計画する人 |
タイプ8 | 強さを求め自己を主張する人 |
タイプ9 | 調和と平和を願う人 |
この各タイプに対する表現は、本や各サイトごとで若干違います。例えば、上記で紹介したサイトでは、タイプ8を「統率者」、本書では「強さを求め自己主張する人」、こちらのサイト「日本エニアグラム学会」では、「挑戦する人」と表現されております。これではまったく違うタイプのように感じてしまいますが、説明を読めはだいたい同じです。
気をつけなければならないのは、言葉の定義が違うことで、その後のアドバイスが変わってくる可能性があります。たとえば、「あなたはタイプ8統率者だからリーダーになりなさい」と「あなたはタイプ8挑戦する人だから挑戦し続ける人生を送りなさい」とでは、まったく意味が違いますよね。このような違いに惑わされないよう注意する必要があります。
エニアグラムを知る意味
エニアグラムとは、人間の性格を9つに分類した性格タイプ論だというのは、前述したとおりです。では、自分のタイプを知ることでどんな得があるのでしょうか。本書の著者 鈴木秀子さんの「はじめに」から引用してみましょう。
エニアグラムが目指すのは、あなたが、よりよく生き、あなたの能力や個性を最大限に生かすための知恵を提供することである。エニアグラムを学ぶことで、あなたはまず、しがらみや囚われから解放され、自由になった自分を知ることができる。そして、自分のよい部分と悪い部分を知り、それをすべて受け容れ、自分自身と仲よしになる実感を味わうことになる。さらに自分を受け容れるのと同じように、他の人も受け容れることができるようになり、その結果として、人間関係の劇的な改善を体験することになる。
9つの性格(P4)
自分の個性を最大限に活かせる。それがエニアグラムを知る意味です。ちょっと盛っているのかなと思いきや、あながちそうではないことが、読み進めるとわかります。
エニアグラムで自分の囚われを知れ
せっかくタイプがわかったからには、まずは自分の囚われ知る必要があります。囚われというのは、こだわりや恐れ、慢心につながる感情です。少し長文になりますが、非常に大事なことが書かれているため、著者の言葉を引用いたします。
あなたの性格の悪い傾向である「囚われ」を意識し、認めることは、決して愉快なことではない。「私はここまでひどくない」と憤慨する人もいるだろう。しかしエニアグラムは、人間は、誰でも、各タイプ特有の「囚われ」をもっていると説く。程度の差こそあれ、誰もが囚われているのだ。
そして「囚われ」を知ることの第一の効用は、すでに述べたようにあなたの性格上の悪い傾向を知ることで、自らを深く認識できる点だ。「私には~の傾向がある」ということを知れば、自分の内面の状態をよい方向に向かわせることができるわけだ。エニアグラムでは、「気づきこそ癒し」という言葉で「囚われ」への認識の重要性を説いている。
また「囚われ」を知ることは、自己嫌悪の解消につながる。多くの人が、自分の性格上の欠点や嫌いな部分を自覚している。しかし、弱点や問題をクリアに把握している人は少ない。多くの場合は、得体の知れないもやもやとした不満感やもどかしさを抱くばかりだ。しかしエニアグラムの「囚われ」は、その正体を正確に指摘する。9つの性格(P98~99)
何が自分の成功や成長の足をひっぱっているのか、それは「囚われ」かもしれません。タイプを知ることにより、自分がどんな可能性があるかを知ることも大事ですが、どんな囚われがあるかも知ることも大事なのです。
努力させたいのも自分、怠けさせたいのも自分、どっちの自分も知り、バランスを取っていく必要があります。
エニアグラムの活かし方
自分のタイプを知り、どんな囚われがあるかがわかりました。あらかじめ囚われがわかっているなら、対策を打てます。悪い方に行かないよう自制がきかせればいいのです。
そして、もちろんエニアグラムはそれでは終わりません。本書のP210以降で、ストレスのときや安定のときなど、各タイプの良いとき悪いときにどんな特徴があるかを知ることができます。これは、どういう風に自分を導けばいいか、どうしたらよくないのか、行動を変えるヒントになると思います。
というのも、エニアグラムの各タイプには、良い方向に向かったときと悪い方向に向かったときの特性があるようなのですね。詳しくはエニアグラムの画像をご覧ください(上記の画像あるいはリンク先 エニアグラムの画像」)そして、画像中で、矢印の方向に注目してください。矢印の方向はマイナス方向であり、矢印の逆はプラス方向です。
「自分の「囚われ」を知れば、それによる落とし穴をクリアに認識することができることは前項で述べた。これが予防的な自己改革だとすれば、エニアグラムはもうひとつ積極的な自己改革の道筋がある。それが「矢印と反対の方向を目指す」ことだ。
各タイプから発する矢印は、そのタイプが、強度のストレスを感じたときに向かう方向だ。つまり、行動や気持ちのマイナス方向を示している。9つの性格(P207)
画像のタイプ5にご注目くださるとわかりますが、タイプ5からタイプ7へ矢印が伸びておりますね。この方向がマイナス方向なのです。つまりタイプ5の安定時は、タイプ8良い面が出ており、ストレス時はタイプ7の悪い面が出ているとのことなのです。
私は本書の無料診断でタイプ5かタイプ8のどちも要素がありました。点数が近かったからです。そこで、WEBサイトの無料診断を試したところタイプ5でしたので、どちらかと言えばタイプ5の方が正解に近いと思われます。タイプ5およびタイプ8の両方が当てはまる気がするのも、エニアグラムでは矢印の逆方向としてタイプ5の安定時の特徴という関係があったからでしょう。よって、ストレスを抱えているときに診断したら、タイプ5かタイプ7の数値が近くなるような結果が出たかもしれません。
エニアグラムの数字を結ぶ線は、よくできているのです。あまりにもよくできている話なので、胡散臭く感じてしまいますが、納得できるところはあります。そして、プラスの方向の特徴を意識して自己改善していくことが成長につながっていくわけです。
このようにタイプを知り、囚われを知り、自分をプラス方向にもっていくタイプの特徴を知り自己改善することこそが、エニアグラムの活かし方と言えるのではないでしょうか。
エニアグラムでコミュニケーションを取る
ここまで、書いてきた内容は、エニアグラムの本ならだいたいどの本でも知ることができると思いますので、エニアグラムを学びたければ本書でなくても他のエニアグラムの本でもいいと思います。しかし、本書のよいところは文庫というお手頃価格と、コミュニケーションとしてのエニアグラムを使う方法に十分なページを割いているところだと思います。
第5章以降は、良いコミュニケーションを取る手段として、エニアグラムがどう参考になるか解説してくれてます。タイプ1の部下、同僚にはどう接すればよいか、上司にはどう接すればよいか、そんなことを解説してくれてるのです。
エニアグラムを学ぶことで、自分を知るだけではなく、苦手な相手とうまくやれるとしたら、どれだけ人生が楽になるでしょう。人の悩みの大半は、他人との悩みですから、それが軽減されるとしたら、どれほど幸せなことか。
もちろんエニアグラムがすべてとは言いませんが、じゅうぶん参考になると思います。
そんなうまい話があるかい!
ここまで読まれた方は、エニアグラムって素晴らしいよねって気持ちになるかもしれませんが、やはりアンチはいるようです。とくに「バーナム効果だよね」っていう意見が多いかもしれません。つまり「誰にでも当てはまるように書いているよね」ってことです。
これについては「当たり前じゃん」としか言えません。そもそも何十億という人類をたった9種類に分類しているのだから、誰にでも当てはまる部分があって当然でなのです。それをいうなら、心理学全般がバーナム効果だと思います。
私個人の意見としては占いだろうが、エニアグラムだろうが、自分の人生に役に立てばいいのです。ただし、過度な信仰状態のようにならぬよう気をつける必要があると重います。こういうものは、眼鏡と同じで、どんな眼鏡を通して人や世間を見るかは、眼鏡をかける人の自由なのです。占いという眼鏡を使うかエニアグラムという眼鏡を使うかだけの話であり、自分自身の人生がよい方向に向かうためのツールの一つとして使うくらいがちょうどいいと思うのですが、いかがでしょうかか。
「9つの性格」まとめ
エニアグラムで自分を活かそう
エニアグラムについては、個人的には役に立つと思っております。やはり確実に「これは自分ではないと言えるタイプ」と、「これは自分だと言えるタイプ」を知ることができるのは、参考になります。なぜなら、これは自分ではないと言えるタイプというのは、無いものねだりと申しましょうか、学びたいと思って手をつけてしまいがちですが、続かないものが多いからです。
例えばタイプ5の私にとって、タイプ2の人なら合いそうなリーダーシップの学びは興味がありますが、実際にやってみると長続きしませんでした。それでも学びたいのであれば、「苦手なことを克服するため」という明確な意思が必要であり、無いものねだりや興味本位では続かなくて当然なのです。
このようにタイプを知ることで、自分の問題と客観的に向き合うことができるなら、タイプを知る前とは違う自分の活かし方ができるようになるでしょう。そういうツールのひとつとしてエニアグラムはなかなか優れものだと思います。
自分探ししている方は、一読されてはいかがかでしょうか。