「この文章、読んだ人にちゃんと伝わっているかな?」文章を書いた後、いつも抱えている課題です。
フィードバックが貰える環境にあるなら伝わっているかどうか実感することもできるでしょうが、私のように一人で学習している場合は、伝わっているかどうかわかりません。
となると、課題解決案としてはテンプレートを使用したくなりますが、それは「テンプレートがないと書けない」というテンプレートに依存する状態になりそうです。でも、それは避けたいのです。だって、そんな状態、学びと言えますか?
わかっています。本質的なことを学び我流を構築しない限り、いつまで経っても何事も上達しません。セールスレターを書くなら、なおさら「セールスの本質的なこと」を学び、自分流を構築です。
では、「セールスの本質的なこと」ってなんでしょう? デザイン、文章術、心理学でしょうか。いろいろあると思いますが、今回は脳科学に注目しました。
そして、かなり勉強になった本なので紹介したいと思います。
目次
売れる脳科学はビジネスマンには必読書
脳科学マーケティング100の心理技術と何が違うのか?
ダイレクト出版の脳科学本には、他にもこちらの本があります。
両方とも脳科学という分野が魅力ですが、著者を変えて同じ分野の本を購入ことじたいは、新しい観点が学ぶためによくやりますが、内容がほとんど同じなら買って損ですし、よくそういう失敗をします。そこで、セールスレターを読み比べ、内容がかぶらなそうなことを確認して購入しました。
リンクを貼っておきますので、読み比べてみてください。
「売れる脳科学」
「脳科学マーケティング100の心理技術」
脳科学マーケティング100の心理技術は、アイデア・テクニック集です。「価格を設定するならこうした方がいい」とか、「接客スキルはこうした方がいい」など、現状からどう改善できるかに役立つような内容と言えます。
売れる脳科学は、NeuroMap(脳科学の観点から販売が体系化されているもの)を説明したノウハウ本と言えます。セールスに慣れていない方にも、かなり役に立つ本だと思います。何冊か読んだダイレクト出版のマーケティング、セールス系の本の中ではトップクラスの良書だと思います。
ビジネスマンには必読書ではないでしょうか。
心理学より脳科学か?
実際のところ、心理学がよいのか脳科学がよいのか、そもそもその違いとは何なのかと思われるかと思います。何か起きてどう思うかが心理学、脳内のどこの箇所でどんな物質が発生したかが脳科学、そんな風に私は理解しています。
どちらがよいとは一概に言えませんし、あれもこれも学ぶよりは、効果がある一つの方法を徹底的に学んだ方が、時間効率もいいかもしれません。
しかし、どちらもセールスを学ぶためには大事な知識だと思います。そこで、私なりに本書のよかった点を3つ挙げたいと思います。あくまでも私にとっての観点なので、ご参考までにとどめてくださると幸いです。
①本質的
心理学の場合、知識があれば防御できますが、脳の場合はどうでしょう。抵抗できないのではないでしょうか。
例えば、心地よいことをされたとします。「心地よいことには抵抗できないことをわかっていて、わざとやっているな」と心理として抵抗できても、脳に溢れるドーパミンは止められません。
ですから、こういう風に刺激を与えれば脳に効果的だよという本書の教えは、本質的だなと思うのです。
②体型化
それと、NeuroMapとして体型化されているのがいいですね。ストーリーブランド戦略も体型化されていますが、売れる脳科学もなかなか使いやすそうです。
③実践的
また、本書の巻末にメッセージを採点できる24個の質問(NeuroMap Report Scoring)があります。すぐ実践可能なところがよいですね。この24個の質問は、原始脳を刺激する6つの刺激を構成しているか確認できるものになってます。
「ところで、NeuroMapって何でしょう? 原始脳を刺激する6つの刺激って何でしょう?」
売れる脳科学の面白いところ
売れる脳科学を読むと何がお得?
NeuroMapや6つの刺激の答えの前に、本書を読むとどんな得があるかについて、P7に書いてあるので引用します。
本書を読んでいただくと、次のことをマスターできるだろう。
多数のリサーチから脳に関する理解を深め、マーケティング、販売、コミュニケーション活動に応用できるようになる。
注意、感情、記憶、判断を制御する脳のさまざまなプロセスが、消費者の購買判断にどのように影響するのかを理解できるようになる。
”理性脳”(認識を司る新しい層)ではなく”原始脳”(生存を重視する衝動的な行動を司る古い層)がどのように説得プロセスを支配し、購入判断を左右するのかを理解できるようになる。
心理学や神経科学の専門知識がなくても、原始脳の機能の基本原則を学ぶことで、複雑な説得プロセスを理解できるようになる。
多数の科学的研究やお客様の事例を学ぶ。さらに、脳に響く説得戦略に従って実際に作成したメッセージが効果的かどうか、スコアリング技法(NeuroMap Report Scoring)によって判断する。売れる脳科学(P7)
つまり、かなり役立つよということです。「心理学や神経科学の専門知識がなくても~」ってところが魅力的かなと思います。
「ん? 原始脳と理性脳って何でしょう?」
原始脳と理性脳
原始脳と理性脳については、本書P4で説明されてますが簡単に言うと次のような説明になるかと思います。
①原始脳
生存に必要な呼吸などの基本的機能を調整し、本能や情動を司る脳の領域を指す。
②理性脳
認知資源(注意を向けたり情報を記憶したりするのに脳が必要とするエネルギー)を利用し、原始脳の反応を調整する役割を果たす。
つまり、原始脳=感情・本能で、理性脳=理性ってことですね。このあたり脳科学マーケティングのポイントは、ご存じの方が多いのではないでしょうか。
ニューロマップ(NeuroMap)
NeuroMapとは何でしょうか? それは絵を見ていただいた方が理解が早いです。

NeuroMap
これです。なんか凄いですよね。
~NeuroMapは、メッセージを作成・改良して購入判断を促すことができる唯一の科学的な説得モデルだ、と断言できる。
売れる脳科学(P7)
本書はこのNeuroMapの解説書とも言えます。すぐに、NeuroMapどおりにメッセージを作成できるかどうかは、人によるでしょう。メッセージ作成に慣れている人は習得が早そうですし、慣れていない人はフレームワークが手に入るので学習しやすいと思います。
原始脳を説得する6つの刺激
NeuroMap図の左下に見えるのが6つの刺激のイメージ図です。原始脳を説得するためには、6つの刺激をメッセージに盛り込むとよいらしいのです。次がその6つの刺激です。
①個人に関わる刺激
②対比できる刺激
③具体的な刺激
④記憶に残る刺激
⑤視覚的な刺激
⑥感情的な刺激
※6つの刺激の詳細が知りたい場合は、本書でご確認くださると助かります。
この6つの刺激がメッセージに盛り込まれてるかどうかについては、NeuroMap Report Scoringという24個の質問に答えることにより、評価できるようになってます。

NeuroMap Report Scoring
めんどくさくないようでしたら、このNeuroMap Report Scoringを利用して、ご自身のメッセージをチェックされるとよいかもしれません。
NeuroMap を理解するには、この6つの刺激をメッセージ作成のチェックリストだと考えるとよいだろう。16年間にわたって、このチェックリストを使用して数多くの企業が説得に成功してきた。
売れる脳科学(P91)
これ以上の内容紹介は、読書妨害になりますので控えますが、まだまだこんなものではありません。
売れる脳科学:まとめ
脳科学マーケティングを勉強しよう!
まだまだお伝えしたいことがたくさんあります。それだけノウハウがてんこ盛りです。ページ数の多い本(367)ですので、読み終えるまでに時間がかかりましたが、無駄にボリュームがあるわけではありませんでした。内容は充実してましたし、画像付きの説明がわかりやすかったです。
細かいノウハウを一気に全部やるのは難しいので、少しずつ覚えていきたいと思います。まずは6つの刺激ができるようになることですね。
本書は、今後、ダイレクト出版の本の中でも、売れ筋になっていくのではないかと思います。個人的には、今の売れ筋より面白いと思ってます。でも、なんだかあまり多くの人に知られたくないというのが素直な感想です。
まずは、NeuroMapを使いこなす
メッセージ作成も、すでにあるテンプレートを使うと楽だと思うかもしれませんが、なにげにテンプレートにはめて書くのも大変な作業です。やってみてわかりましたが、本質的なことを理解していないと、テンプレートどおりに書くのも難しいです。だからこそ、本質的なことを理解して、自分流で表現できるようになる訓練をし続けることが大事です。洗練された表現やライティングができるようになりたいですしね。
そのために、NeuroMapは役に立ちそうです。また学びの一つとして脳科学という分野はよいと思います。念のため「脳科学マーケティング100の心理技術」もご参考いただければと思います。
なお、「もし、脳科学マーケティング100の心理技術と売れる脳科学のどちらか一つを薦めるとしたら、どちらですか?」と質問されたら、迷わず「売れる脳科学」と答えます。お薦めですが、あんまり広まってほしくないので、買わないでほしい一冊です^^。