「頭がモヤモヤするから、ノートに書いて思考を整理しよう」と、いざノートを開いてもなかなか書き出せないものです。意外と難しく感じるのは何故でしょう。きっと、深く考えることに慣れていないからだと思います。忙しさや面倒といった理由もあるでしょう。
しかしながら、いつまで書き出さないまま考えてばかりいると、モヤモヤした状態は続きます。できれば、なんとか解決したいものです。
「フセンで考えるとうまくいく:頭と心が忙しい人のための自分整理術22」は、付箋を使って簡単にできるモヤモヤ解決策が、たくさんあったのでご紹介したいと思います。
フセンで考えるとうまくいく
付箋の活用、仕事以外なし
付箋など、仕事で軽くメモする以外に使ったことがありませんでしたので、本書を読み驚きました。付箋は、私が考えていた以上に潜在能力が高く、さまざまな活用ができるのです。工夫次第で心理療法的な効果が見込める使い方があるのもわかりました。
では、付箋の何がよいのでしょうか? 本書(P24)以降に、以下のように書かれてます。
①誰でもすぐにはじめられる
②モヤモヤしたままの状態で始められる
③ワンフレーズで書き出しやすい
④はがして動かせる
⑤簡単に差し替えたり、移動したり、捨てたりできる
⑥カラフルで感情を揺さぶってくれる
この特徴、わかっていましたが、使いこなせていなかったです。
「モヤモヤ」したことを紙に書くのが面倒なときは、付箋の利便性に頼ればいいわけです。もっと早く思いついていれば、過去の悩んでいた時期も、早く解決したかもしれないと思うと、少しだけ損した気分です。
コーチングとしての付箋活用術
この本の付箋活用術は、主に「問題解決」としての活用術です。付箋を使ったノートの使い方ではありません。そこが、よくある付箋術と一線を画しています。というのも、著者の平本あきお氏はメンタルコーチです。コーチングの観点から付箋活用術を考案しているので、奥深いものになってます。
まず、本書では大きく分けて、次の5つの問題に対して、付箋活用術を紹介してくれてます。
①整理:頭と心をスッキリさせる(5)
②発見:本当の自分の想いを知る(5)
③協力:周りの人を味方につける(3)
④計画:自分らしいやり方を探す(5)
⑤行動:心のブレーキをはずす(4)
ご覧のとおり、付箋活用術のアイデアが、22個(上記括弧内の合計数値)もあります。自分の身近な5つの問題について、わずか数百円の付箋を使うことでコーチング効果を得ながら解決する方法があるなんて、良い時代になったものです。
紙に書くのが面倒な方は、本書の方法を試してみるのもよいかもしれません。あるいは、同僚や部下指導時にさらっと活用すると、おしゃれな人と思われるかもしれませんよ。
「フセンで考えるとうまくいく」まとめ
本書ですが、1ページだいたい500文字で約220ページです。大人の平均読書速度が、600~800/分くらいだとすると、大体3~4時間くらいで読み終わってしまうと思います。実際に、図が多いこともあり、私は通勤時間や休憩時間を使って1日で読み終わりました。
意外とあっさり読み終わるので、もしかしたら内容が薄いと思われるかもしれません。たしかに読み物としては軽いのですが、どちらかというとアプトプットして良さがわかる本だと思いますので、ダラダラと読み終わるまで時間がかかるよりは、すぐに読み終わって実践できるのは、良いことだと思います。
お子様がいる方には、教育にもいいと思います。本書のような付箋の使い方を、子供が覚えてしまったら、問題解決に長けた大人として育ってくれるかもしれません(少し大げさかな)。
本書の付箋活用術を参考して、仕事、勉強など、さまざまな問題を整理したり、自己流の活用術開発につながれば幸いです。