原田メソッド



自分を変えるためにどんな行動を習慣化すればよいのか?原田式メンタル教育で学べ。

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周りに変化を求める前にまず自分を変化させる。その変化を生み出す考え方や生き方の態度を「主体変容」と言います。「主体変容」は自力型人間のあり方です。

このブログでは、そんな自力型人間を育てる原田メソッド関する本を何冊か紹介させていただいておりますが、著者、原田隆史先生のベストセラーである「カリスマ体育教師の常勝教育」が17年の時を経て、内容が一部がリニューアルされ、文庫版として発売されましたので紹介させていただきます。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育」です。

 

自分を変える本:書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育

原田式メンタル教育で変化に対応できる人になる

変化に対応できる者—。
これを読んだとき、私は肌が粟立つ思いがしました。まさに、20年以上前から私がその育成に尽力し続けている「自立型人間」の姿そのものだと感じたからです。
「自立型人間」とは、「優れた人格・人間力を土台に、成果・パフォーマンスを確実に発揮する人間」のことです。そして、その育成のために確立させたのが、不確定な未来に向けて、自分でゴールを設定し、自らの人生を切り開くセルフマネジメントの”技術”である「原田メソッド」です。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育(P29~31)

この本は、ビジネス書のような原田メソッドの解説といった内容というよりは、教育現場で起きたさまざな課題や難問に対し、原田先生や生徒達が、どんな気持ちでどんな取り組みをしながら自ら変化を起こし、未来を切り開いていったか、そんな事例からヒントが得られる内容になってます。

「自分だったらどうするか、今の自分に役立つことはないか」と自分ごとに置き換えながら読むと、スーパー自立型人間、原田先生のモノの考え方や取り組みから自分を変える行動を学べると思います。

自分を変えることで、何にもなくても行動できる

ここで、想像していただきたいことがあります。

あなたは、中学校の陸上部の顧問になりました。その陸上部は、予算も場所も道具もないという悲惨な状態であり、そこから部活動を始めていかなくてはなりません。どうしますか?

原田隆史先生は、こうしたのです。

そこで私はまず、野球部やサッカー部の顧問に交渉し、陸上部が使用できるエリアと時間をなんとか確保しました。
また、3年後というタイムリミットを考えれば、不足している道具を揃えることも急務でしたが、陸上部にはほとんど予算がありません。頼れる先もなかった私は自腹を切り、陸上競技場と同じタータン(合成ゴム)トラックや投てき用のコンクリートサークル、そして砂場の砂を8トンほど買い揃えました。このほか、家庭の事情で道具を準備できない子どもには、スパイクなども買い与えました。結局、松虫中に在職した7年間で総額800万円ほどの出費になったでしょうか。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育(P29~31)

コミットした自分の目標のため、そして生徒のため、原田先生はなんと800万円自腹切ったのです。もはや、仕事ではないですね。金額を覚えていらっしゃるということは無我夢中でお金を使っていたわけではないと思います。お金を使いながら、迷いと闘っていたのではないでしょうか。

自分を変えると決めてから、こういう勇気ある行動が生まれるなんて、相当の決意がないとできません。それほど子供たちへの愛情が深かったことが想像できます。また、どこか武士道のようなものを感じます。

しかも、よく考えてみますと、陸上部が日本一になったところで、原田先生の利益になるかどうかわかりません。それでも、目標のために800万円という自腹を切ったのですから、本気度や想いの強さが半端ないです。

「もし、私が原田先生の立場だったらできただろうか」絶対にできなかったと思います。きっと、人ごとだと思ってヘラヘラしていたに違いありません。このエピソード一つをとっても原田先生の器が大きさが伝わります。

あきらめずに、今できることは何かを必死で考え、思いついたことを行動に移す。そうやって自らの力で逆境を乗り越える姿は見習いたいものです。

そして、そういう原田隆史先生を見て育った生徒達も、素晴らしい人間へと変わっていくのですね。

自分を変えると相手も変わる?弟のために働く女子生徒の決意に涙

経済的に問題を抱えているご家庭の姉弟の話は、思わず目が震えた話です。

筋の通った光り輝く生き方を子どもから学ぶこともあります。
私には忘れられない女子生徒がいます。その子の弟は陸上部で1年生で全国5位になったほどの有望な選手だったのですが、彼女自身もバスケット部で大変活躍していました。その姉弟のご家庭が経済的な問題を抱えていることは以前から知っていたので、担任の先生を通じて「バスケットの特待生として私立高校に進学することを考えてみないか」と声かけたのです。
しかし彼女は「先生、私、バスケやりたいけど、できません」と答えたといいます。
そして涙をボロボロ流しながらこう言ったそうです。
「もちろん、私も行きたい気持ちはあります。でも、私はしょせん大阪レベルの選手。そんなん自分でもわかります。でも弟は全国レベルですよね。私は高校に入ったら部活はやらずに、毎朝、新聞配達して、そのお金を原田先生に渡すつもりです。原田先生は弟のスパイクや道具をこっそり買ってくれてますけど、そんな、恩義をかけてもらいっぱなしでは申し訳ない。だから私が稼いだお金で弟をもっと強い選手にしてもらうんです。」
その話を聞いて、私は本当に驚きました。中学生の女の子が自分の将来は二の次にしてまで、弟を応援するというのです。そんなことは、それまでの教師人生で初めての経験で、私は涙するばかりでした。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育(P71~72)

なんて自立意識が高いのでしょうか。

原田先生は、この引用文の最初に書いてあるとおり子どもから学ぶこともあると語っています。一方でこの女子生徒も原田先生が弟のスパイクを買っている様子を見て、自分の今後をどうしていくか決意されてます。

お互いの行動が、相手に良い変化を与えているのが伝わるエピソードです。でも、相手を変えるために行動したわけではありません。あくまで、自分を変えるため行動していった結果、相手に影響を与えたのです。こういうのを見聞きすると何とも言えない感動で包まれます。

自分を変えるような、そんな影響力がある人とどれだけ出会うことができるでしょうか。もし、出会えたら絶対リスぺクトしましょう。そして、たいして影響を受けない人とは距離を置くのも一つの方法だと思います。

大前研一さんも自分を変えるには、「時間配分を変える」「住む場所を変える」「付き合う人を変える」と言ってますしね。

学校を変える力:何故、陸上で日本一を目指したかを考える

「そもそも学校を立て直すことと日本一を目指すことになんの関係があるのさ?」

そう疑問に思う方もいると思います。荒れた学校を立て直すなら、生徒に厳しく指導すればいいと思うでしょう。現に原田隆史先生も「態度教育」を行っています。

しかし、それだけでは駄目だったのです。あまりにも学校や周辺地域が荒んでいたようなのです。

経済的な格差をあからさまに示すそのような実態が、松虫中の子どもたちに劣等感や消極的な発想を刷り込んでいることは容易に想像できました。当時の松虫中は、他校の生徒から「スズ虫、みの虫中学」とからかわれることもありました。松虫中の子どもたちから「ようし、僕も・私も、やってみよう」というやる気やプライドが見えてこないのは、自分自身の可能性を信じることができずにいるせいだと私は強く感じました。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育(P20)

そんな荒れた学校ですから、夢・誇り・リーダーがなかったのです。だから、子ども達に希望を与えたかった。普通の子でも日本一になれること、証明したかった。それが日本一を目指した理由なのです。

他にも理由があります。

それは、家庭の経済的な事情で高校進学をあきらめなくていけない子でも、全国大会で好成績を上げれば、特待生として進学できる可能性があったからです。

①学校に夢と希望を与える②経済的に恵まれない子どもに進学の可能性を与える。だからこそ、なんとしても日本一を目指し集ったのです。

ここでよく考えてみると、とは言ってもそう簡単に陸上競技で日本一になれるわけありません。小学校から練習してきてるエリートだっている競技です。現実はそんなにあまくはないはずです。その点は原田先生もよくわかっており、そこで能力差が出る「トラック種目」を捨てる作戦を考えました。

高跳び、幅跳び、棒高跳び、砲丸投げ、円盤投げなどの「フィールド」種目で勝負することにしたのです。このあたりの種目は、中学になってから経験することが多いため、勝ち目があると読んだのです。原田先生の戦略です。

与えられた状況でどうしたら結果を出せるか、試行錯誤されている姿は学ぶところが本当に多く脱帽します。

変わらない人から変わる人へ

「でも、その奇跡は原田先生だからできたことでしょう。自分には生徒のために800万円なんてお金は払えないし、それは親がやるべきでしょう。そもそも教師の仕事だって暇じゃないから、そんなに生徒のために稼働かけられないよ。自分には無理だ」

こんな意見を言われる方は割と多いのではないかと推察しております。それは、たしかにそのとおりで、松虫中は原田先生だからうまくいったわけで、他の人が同じようにできるかといえば難しい話でしょう。

こういう意見を聞いて思い出すのが、以前紹介したプロフェッショナルセールスマンの甲州さんの本です。やはり、過労死するほどの仕事っぷりはどうかという意見があります。

目の前で、自分が想像できないようなぶっとんだ行動を見せつけられしまうと、凄いと思うと同時に、「そこまでやる必要がある?」と、その行動を素直に評価できないのは当然かもしれません。

ただその延長で、「そのやり方は間違っている!」と全否定するのはどうでしょうか。別に真似する必要はないわけですから、全否定する必要もないのではないでしょうか。評価するより感じた感動を大事にすればよいと思います。

それに、いちいち誰かの行動を評価していると、自己評価が低くなります。例えばリーダーの批判している人に、「そこまで言うなら自分がやってごらん」と任せてみたら、なんだかんだ言い訳してやらない人がいますよね。それは、リーダーとしての自分を想像したときに「自分が悪く言われたらどうしよう」と、自分のリーダー対する批判が自分自身にブーメランとして返ってきてしまうからです。人の悪口を言っている人は、自分が悪口言われることに対し怯えますからね。

ですから、他人の行動をネガティブに評価しない方がいいと思います。ぶっとんだ行動の人から何か感じるものがあったら、何か感じたその感情を大切にすればよいのです。それもまた、自分という人間をゆっくりと良い方向に変えていくことにつながると思います。

最近になって、やっとそう思えるようになった私ですが、気付くのが少し遅すぎました。

書いて鍛えて強くなる! 原田式メンタル教育:まとめ

自分を変えることができる不変の技術

世の中いろんな成功の法則があります。惑わされてしまいがちかもしれませんが、『7つの習慣』や『サイコサイバネティクス』など、長い時間変わらず存在し続けているものこそ、本物なのだと思っております。

それは原田メソッドも同じです。「カリスマ体育教師の常勝教育」を発売されてから17年経過してますが、その間原田先生は、ずっと同じことを言い続けているのがわかります。そこが凄いのです。成功の法則というのは、時間が経過しても変わらないということです。

しかも日本人が創ったメソッドであるのが嬉しい。なんでもかんでも外国のものを取り入れて成功するのではなくて、日本人なら日本人が創った教育メソッドで成功したいと思うのは私だけでしょうか。

しかも、原田メソッドはツールを使いこなすことでセルフメンタルコーチングができます。一般的にコーチング契約するとしたら、かなり高額な契約料を払うことが多いようです。ツールを使うことでコーチング効果があるなんて、お財布に優しいメソッドだと思います。だからこそ、子ども達にもできるのです。

不変の原田メソッドがどんなのものであるか、是非一度読んでいただけたらと思います。

 

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