ライティング



自己表現が下手なのは致命的なことなのか?自分のオリジナリティの見つけ方とは?

どうしたら文章力はアップするのか?
どんなテーマにするか、誰に書くか、どう書くか、自分は何が言いたいのか、どうしたら早く書けるか・・・などなど、文章を書く上での課題は多く、簡単には上達しません。本屋に行けば、やぎも食べきれないほど文章本が溢れているところをみると、文章力のアップは多くの人にとって不変的なテーマなのでしょう。

終身雇用制が崩壊しつつあり、45歳定年制という話が出ている昨今です。一生会社で働くのではなく、自分の力で稼がなくてはならない時代に変わっていくと思われる中、文章力をはじめ自己表現が下手なのは致命的だと私は考えてます。

ですから、文章力アップのために、さまざまな文章力本を買っては読みを繰り返しました。テンプレート通りに書けば上手くなると言われれば、試しました。むしろ書きやすくなるよう自己流テンプレートを開発したくらいです。しかし、上達の手応えに満足することができず、時間ばかりが過ぎていきます。

ここまで上達しないと、「そもそも文章力上達とは何だろう?」という疑問がわきます。すると、どう上達すれば満足するのかわからないまま、上達する方法を模索をしていたことに気づきました。これでは駄目、原点回帰するしかありません。

そこで、自分らしい文章を書くために、文章力の上達方法について学び直そうと手にとったのがこちらの本ですが、大正解でした。おかげさまで、私の今までの学びの何がいけなかったのかが、明確になりました。

 

自分のことばをつくる①

自分のテーマ、自分のことば

本書を読み、「文章力」という言葉を「表現力」に置き換えて、気づいたことがあります。それは、「自分のテーマ」というものを真剣に考えてこなかったことが、これまでの学びのいけなかった点であるということです。

あなたが何かを表現しようとするとき、もっとも大切なことは、自分のテーマをあなたのことばで語るということです。なぜなら、表現するということは、あなた自身を表すことであり、それはあなたにしかできないことだからです。
あなた以外のだれでもできることを、あなたが表現したところでどんな意味があるのでしょうか。

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術(P22)

自分の言いたいことを誰かに理解してもらえる文章にするため、文章テンプレートを使用したり小手先の心理テクニックを使ったりしても、文章の中に「自分のテーマ」がないようでは、「自分の言いたいこと」が書けるわけないのです。ただでさえ「自分の言いたいこと」など、自分でもわかっていないことが多いのに、「自分のテーマ」がない状態で「自分の言いたいこと」が書けるわけがないのは明白でしょう。

「何か表現するということは、自分のテーマを自分のことばで語ることである、この定義の追求が、文章力上達のためのスタートラインになりました。「自分のテーマとは何か」、「自分のことばで語るためにはどうすればよいのか」、この2点について学べたことを書きたいと思います。

まずは、自分のテーマについてです。

自分のテーマを発見する

まず、「自分のテーマとは何か」についてですが、本書では「自分のテーマ」を発見するための手順として下記の流れが説明されています。
「オリジナリティ」⇒「興味・関心」⇒「問題関心」⇒「問題意識」⇒「自分のテーマ」

流れの詳細は本書に譲るとしまして、ここでは「自分のテーマ」のみ書きたいと思います。

「自分のテーマ」を発見するためには、自分の「オリジナリティ」が核になります。ですから、まずは自分の「オリジナリティ」がどこにあるのかを知ることがポイントです。

さきほど、「自分の言いたいこと」とはわかっていないことが多いと述べました。では、自分の言いたいことは、どのように明確になるのか、それは他者からの反応で明確になっていきます。

そこで必要になるのが、他者からの反応としての理解のプロセスです。自分の表現したいことが相手に伝わったか、伝わらなかいかを自ら確かめることによって、自分の「言いたいこと」「考えていること」がようやく見えてくるということになります。
この自分の「言いたいこと」「考えていること」は、あなたにしかないものですから、実はここにあなたのオリジナリティというものがあるわけなのです。

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術(P31)

オリジナリティは、はじめから「私」の中にはっきりと見えるかたちで存在するものではなく、他者とのやりとりのプロセスの中で少しずつ姿を見せ始め、自分と環境の間に浮遊するものとして把握されるからです。

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術(P33)

「オリジナリティ」は、他者とのやりとりのなかで、言いたいことが明確になり姿を現すのであれば、オリジナリティは自分の中にあると信じて、発見に夢中になっても、見つからなくて当然なのです。

むしろ他者と対話していくことが大事であり、その対話活動の中で自分の「オリジナリティ」が浮かび上がれば、「自分のテーマ」の発見につながっていき、自分らしい表現ができるようになっていくわけです。

対話が大事であるならば、何冊も文章本を読んだところで上達するわけがありませんね。なぜなら、対話していないからです。自分の言葉を生み出すための他者との対話を軽視していては、「自分のテーマ」も発見できず、自分らしいことばも見つかりません。文章テンプレートを使っても書けなくて当然なのです。

「自分のテーマ」や「オリジナリティ」の発見につながるための対話を軽視して、文章力アップのために小手先の技術をあげようとしていたことが私の間違いでした。今、そのことに気づき、軌道修正ができるのは運がよかったと心の底から思います。

オリジナリティがわかったけど、まだ書けない場合

他者とのやりとりにより「オリジナリティ」が明確になり「自分のテーマ」が姿を現すのはわかりました。しかし、それだけでは、まだ表現できないと思われます。なぜなら、「書きたいことと、自分の経験が結びついていない」と考えられるからです。

自分自身のテーマと、自らの経験とを一体化させて、最終的な自分の主張へと結びつけられるかどうかを考えることです。

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術(P51)

経験なき言葉が相手に響かないのは理解できます。「戦争は反対だ」と主張するにしても、戦争経験者と戦争未経験者では、言葉の重みが違うのは明白だからです。ですから、戦争未経験者が「戦争は反対だ」と主張する場合、せめて「戦争経験がない」という経験を自分の表現に組み込むことができないかと考えた上で、主張することができれば、個性的な表現ができるかもしれません。

一方で、多くの人に理解を得ようとして、自分の気持ちを押し込めて文章を書けば、自分のオリジナリティがなくなってしまいますので、その点は注意しなくてはなりません。

自分の言いたいことを発見する質問

他者との対話などを通して、自分のオリジナリティが浮かびあがり、自分のテーマを発見したとしても、自分の言いたいことが明確になっていない場合は「なぜ」と問うてみましょう。

このように考えてくると、表現するという一連の活動の中で、最初で最大の難関は自分の「なぜ」を掘り起こす作業、つまり「自分のテーマ」とその理由の明確化だということでになります。この「なぜ」を自分に問い、その答えを自分なりに用意することができれば、表現活動の8割は出来上がったようなものです。
なぜなら、あなたは日々の生活の中でいつも何か特定のテーマを自覚しつつ活動しているわけではないからです。もちろん、無自覚的にはいつもテーマを探して言いているともいえるのですが。だから、「さあ、テーマを決めて」と言われると何をどのようにすればいいのかわからなくなるのは、いわば当然のことなのです。

自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術(P69)

戦争について、他者と対話すれば、他者とは違う個性的な意見として「戦争は反対だ」という主張が浮かびあがるかもしれません。しかし、その主張を他者にどう伝えればよいか明確になっていない場合は、『なぜ「戦争は反対だ」と思うのか』と問い、その問いの答えを探すこと。それができれば、表現活動ができるようになるわけです。逆に言えば、できなければ表現活動に苦しむわけです。

たしかに、そうですよね、相手に自分の意見を伝えれば、大抵「なんでそう思うの?」と聞かれます。その質問に答え、相手に伝わった瞬間、自分の個性的な表現は成功するわけですから、「なぜ?」と自分に問いその答えを導くことが表現力アップにつながることは理解できます。

さすが「なぜ」です。文章力だけでなく、人生さまざまな場面において、「なぜ」という問いと、「なぜ」への答えが大事なことであるのか思い知らされました。

さて、ここまでは「自分のテーマとは何か」について、学べたことを書いてきました。「自分のことばで語る」については、次回に書きたいと思います。

自分のことばをつくる①:まとめ

最初はオリジナリティがなくてもいいんだ

文章力の上達には、「①まず先にテーマを決めて、次に自分の言いたいことを決めること」そして、「②わかりやすく伝えるために、テンプレートに沿って文章を作っていくこと。」この2点が大事だと考えてました。実際に、言いたいことがはっきりしている方が、速く文章を書くことができ、逆に、「言いたいこと」がはっきりしないときはなかなか文章が書けないという経験があるからです。

しかしながら、その考えは勘違いでした。

誰にでもオリジナリティはあり、それは他者との対話によって生まれてくるものであるため、表現する前の段階ではオリジナリティがわからなくても、よいのです。ですから、自己表現が下手なのは致命的だと考え、小手先の技術を学ぶことよりも、むしろ大事なのは、他者との対話だったのです。

このことは他人の力に頼らず一人の力で生きていきたいと思う私にとっては、ショッキングな事実でありましたが、他人の存在が私のオリジナリティためにあり、私もまた誰かのオリジナリティのためになっていることを考えると、今さらながらではありますが、他人の存在のありがたさを実感でき、よい学びになった次第であります。

現在、自分の表現力アップのため、技術的なことで努力されている方は、本書を一読されるとよいでしょう。何かよい気づきを得ることができると思います。

 

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