ライティング



文章が書けないストレスや書くのがしんどいを克服するには、魔法よりもプロテイン?

文章を書くのは大変な作業ですし、書けないことでストレスを感じる方もいるでしょう。小説や新聞のような書く仕事の方だけでなく、学生や社会人にも書く機会はあります。たとえば、ツイッター、note、ブログ、ビジネス文章、WEBサイト、論文などでしたら、どなたでも心当たりがあるでしょうから、書けなくて悩んだことがあるのでは?

私自身も、文章が書けないときはしんどいです。才能がないことを突きつけられるから。書けない理由や原因がわからずノウハウ探しに、何冊も文章術本を読んでも、似たような内容だらけ得るものがなくがっかりしてばかりです。

今回も、がっかりする本かなと疑ったのが『書くのがしんどい』という『魔法の書』のように惹きつけられるタイトルの本です。
文章を書くには努力が必要なのはわかっているつもりですが、いまだにどこか魔法にあやかりたい怠け心があります。しかもこの本、どうやらしんどさの原因が明確になっていて、克服する方法について書かれている様子。二者択一です。「数千円の出費で、書けるようになるなら」と魔法のお世話になるか、がっかりすることになるから購入しないべきか。

すみません、魔法のお世話になります。果たして、文章力がつく本なのか、それとも・・・。

書くのがしんどい

なぜ文章を書けない?書くのがしんどい5つの原因

本書は、書くのがしんどいの原因を、「書くことがなくてしんどい」「伝わらなくてしんどい」「読まれなくてしんどい」「つまらなくてしんどい」「続かなくてしんどい」と5つの原因にわけ克服し、書くことが楽しくなっていくことを目的としている本です。

この5つのしんどいをひとつずつつぶしていくことで「書くのが楽しい!」に行きつくことができるのです。

書くのがしんどい(P14)

内容については、次にようにまとめてみました。

内容
CHAPTER1
書くことがなくてしんどい
■参考になった
・自分のことを書こうとするから、書くことがない。まずは、他人やまわりにことを書こう(P28)
・ネガティブをポジティブに転換してネタになる(P41)
・着飾っていても結局バレる(P66)
この3点は再認識しました。たしかに、書けない原因は、自分ののことやネガティブなことをネタにしているからだと思われます。批判を恐れて書けなくなるんですよね。批判が怖いからといって、嘘を書くのも気がひけます。そもそも嘘が書けるなら、書くネタには困まりません。そんなことできません。
だけど、ポジティブに転換すればネタになるは、確かに納得できる話。本書の例も参考になります。
・書くための企画、3つの方法(P72~)も、読み手によっては参考になるでしょう。
■参考にならなかった
・書く前には取材がある。取材してネタを仕入れましょう。(P35)
・書けないのは自意識が邪魔しているだけ。いいから、書く(P65)
これは、書けない原因ではないのではないか。ネタがあるから取材するのでは? ネタがあっても書けないときは書けない。「いいから、書く」は答えではない。
CHAPTER2
伝わらなくてしんどい
わかりやすい文章とは「読む速度と理解する速度が一致する文章」とのこと。
なるほど、この定義は思わず納得。本書はところどころ言葉の選び方にセンスを感じる箇所があり勉強になります。
章の内容は、短く、論理的に、結論から先に書くと言った内容で、よく見聞きする内容です。
CHAPTER3
読まれなくてしんどい
誰もが発信できる時代。発信が簡単になったが読まれるハードルは高くなりました。それでも読んでもらえるには、どうするかが章の内容です。主に次のことが書かれてました。
・ターゲットを絞る(たった一人に向けた文章を書く)
・自分ごとになるようなテーマを選ぼう(5つのテーマ:P155)
こちらも文章術本を読んだことがある方にとっては、よくある内容です。
CHAPTER4
つまらなくてしんどい
「面白いとはどういうことか。感情が動くということ(著者の定義)」
感情が動く文章について、豊富な例文を用いながら解説してくれています。
・面白い文章は「共感8割、発見2割」
・文章にサビはあるか(グッと来るポイントは?)
・犯人だけが知りえる情報を入れる(P201)
・たとえの達人になる(P216):絶妙なたとえはオリジナリティになる(P217)
・多くの人に読んでもらう方程式「共感、発見、感動」でシャアを誘う
・総論的なタイトルをつけてはいけない(P234)内容としては真新しさがないように見えますが、実際にいくつかの例文解説を読むと、「わかっていたようでわかっていなかった」と思う点ありまりました。
「犯人だけが知りえる情報を入れる(P201)」このテクニックは誰にでもできることですが、割とやっていないことき気づかされます。
おそらく著者は、この章の内容が得意な方なのでしょう。イキイキしている感じが伝わりましたし、なにより本書が、CHAPTER4の内容を忠実に再現しヒットさせてます。お見事としか言いようがありません。
CHAPTER5
続かなくてしんどい
書くのを習慣にする方法について書かれた章です。
いきなり長い文章を書かずに、短い文章でいいから書く習慣をつけるということで、ツイッターのススメみたいなことが書かれております。
CHAPTER6
書けば人生は変わる
文章術本の最終章は、自己啓発が定番。本書もそうです。

全体としては、読みやすい文章で、わりと早く読了しました。そして下記のような言葉。

対処法としては、「書けないのは自意識が邪魔しているだけだ」と認識することです。そして「いいから書く」。それしかありません。

書くのがしんどい(P65)

「やれやれ。新しい情報が少なく、物足りない。魔法の書ではなかったか。」いつもの私なら、「やっぱり、その辺の文章本と同じか」とがっかりするところです。しかし、読了後はがっかりせず、気が楽になったのも事実・・・なぜ?

彼なりに必死に考えながら・・・

その理由は、上記でまとめた内容以外に、「紙にプリントアウトして喫茶店にこもる(P64)」「取材と執筆するときに必要な7つ道具(P129)」「原稿に集中するための10の必勝法(P279)」など、読んで好感が持った箇所があったからです。とくに、7つ道具の一つ『ポメラ(DM100)』や『ニュース予定』なんて、そんな便利道具は知りませんでしたので目から鱗です。

書けない中、試行錯誤されたところは本当に好感が持てます。漫画スラムダンクの、あの名シーンを思い出しました。

バスケットボール漫画スラムダンクをご存知の方であれば、記憶にあるでしょう。神奈川インターハイ予選、決勝リーグで王者海南高校と挑戦する湘北高校。湘北の初心者桜木花道(主人公)は、苦手なフリースローで得点するために、下から手で放るというフォームで得点を決めました。湘北安西監督のセリフ「自分一人が初心者という状況でそれでもなんとかしようと、いつも彼なりに必死に考えながらやっているんですよ」は、個人的に名言だと思っています。

プロですら書けないときがあり、あの手この手と書くために試行錯誤しているのです。書けないときがあるという問題は、書き続けようとする限りずっと続くでしょう。それでも目の前に立ちはだかる障害の乗り越えるためなら、自分なりに試行錯誤をするしかありません。魔法で飛び越える、そんな都合のいい話はない。なんども突きつけられる現実。でも・・・

「文章術本を読み続けても文章力はアップしない。でも、読み続けることで、書き続けるための自分なりの工夫やアイデアが浮かぶなら文章力がアップするかも・・・」

努力が大事と決意しながら、魔法に頼ろうとした駄目な私。でも、筋肉つけたきゃ筋トレだけでなくプロテインも飲むでしょう。文書力アップにはプロテインも必要なんです。魔法ではなく、プロテイン。努力が大事という決意に矛盾しないで、文章本を読み続けることに意味を見出せたこと。そして、自分なりの工夫を楽しんでみようと思えたこと。それが、読了後気が楽になった理由でした。

書くのがしんどい:まとめ

文章を書けないストレスはなくならないけれど

「書くことがなくてしんどい」「伝わらなくてしんどい」「読まれなくてしんどい」「つまらなくてしんどい」「続かなくてしんどい」という、書くのがしんどい5つの原因を克服する方法について書かれた本書。内容については、他の文章本で書かれたことを再認識する程度であり、文章術本を見読み慣れている人には新しい学びは少ないかもしれません。本書を読んだところで文章が書けるようになる気がしません。

ただし、よくよく読み返してみると、著者も「はじめに」では「書くのが楽しくなる」と言っており、「書けるようになる」とは言っていません。

ですが、読了後、気が楽になり、なんとかがんばってみるかと思えたのも事実。魔法の書と言うよりは、プロテインやサプリメントのような本でした。

しかも本書は、「CHAPTER3:読まれなくてしんどい」「CHAPTER4:つまらなくてしんどい」のテクニックが散りばめられているため、なにげに学べることも多々あります。

自分だけが初心者で、それでもなんとかしようと考えながらプレイする。桜木花道はそうやって試行錯誤しながらバスケがうまくなりました。文章を書けないストレスはなくならないかもしれませんが、私も桜木花道のように、試行錯誤することにしましょう。(そういえば、Scrivener買ったりDynalistを使ったりしてました。これも試行錯誤)

その試行錯誤が本になって、お金になればシメシメですが・・・まあ、普通ならそうはならないでしょうねぇ。

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