日常のほんの小さな目標すら達成できないのは何故か、ご存知でしょうか?
人生の目標が達成が難しいのはしょうがないことです。大きな目標ですから達成は簡単ではありません。しかし、日常の「いつまでに何をやる」という小さな目標はどうでしょう。
例えば私の場合、「よし、このサイトの記事を今日中に書き終えるぞ!」なんて心に誓っても、いざライティングという段階になると、ダラダラして、先延ばししてしまいます。最初の決意はどこへやら・・・。
それでも、「過ぎ去ったことはくよくよしないで明日から頑張ればいいのさ、やればできる!」なんてポジティブ思考で仕切り直ししますが、またもやダラダラ先延ばしです。我ながらアホらしい。
でも、そんなことを繰り返してしまうのは、目標達成に対するマインドに間違いがあることがわかりました。大小関係なく目標達成にいつも挫折してしまう方はには、良い解決策を勉強できる本を紹介します。
「成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則」です。
成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則
目次
ポジティブ思考を捨てなさい
ポジティブ思考は意味がない?
自己啓発セミナーなどではお約束と言っていいほど、「目標達成に大事なマインドは、ポジティブシンキング(プラス思考)だ!」と言われます。自己啓発本も同じです。もう耳に穴が開いて、ふさがらないほど聞かされます。
そして、たしかにポジティブ思考に切り替えられたときは、モチベーションは上がるのですが、だいたい3日後くらいに冷めていて、いつものクズに戻ってます。
「こんなすぐに冷めるなら、ポジティブ思考したところで意味がないではないか・・・」 こうなると自己嫌悪になりますし、ストレスがたまります。こういう経験が繰り返されれば、「ポジティブ思考では成功できない理由があるはず」という疑問が生まれます。
一体、ポジティブ思考の何が問題なのでしょう?
ポジティブ思考は危険なのか?
ポジティブ思考そのものがどうも良くないようです。どういうことでしょうか? 本書から引用してみましょう。
20年にわたる研究でさまざまな被験者、状況、そして手法で再現された結末をふまえると、「思考は現実になる」「願えば目標は達成できる」というポジティブな空想にふけり、それこそが成功への道だと思えというのは、間違ったアドバイスである。
人生は、そんな風にできていない。
ボワッと逆風を受け、ヨロけるような感覚になりました。「人生は、そんな風にできていない」目を覚ますきっかけになる言葉が書かれてました。
本書の前半で、さまざまな事例を紹介しながら、ポジティブな思考が成功のさまたげであることが語られます。それら事例を自分に置きかえたとき、妙に納得してしまいました。
今まで成功の常識だと思ってたポジティブ思考こそ、目標達成のさまたげだったのです。ポジティブ思考について、きちんと理解しないと、また失敗を繰り返すことになるので危険です。
ポジティブ思考のメリットは何だ?
「じゃあ、ネガティブの方がいいのか? 」そういうことではありませんね。では、ポジティブ思考のメリットは何でしょう?
自分では状況をどうすることもできず、じっと待つしかないという場面は、誰にでも経験がある。レイチェルのようにただ落ち着かない場面もあるが、生死にかかわる場合もある。いずれにしても、大事になのが意図的に行動することではなく、むしろ辛抱して受け身で「粘る」ことであるなら、ポジティブな空想は役に立つどころか必須である。
レイチェルというのは、この引用文の前に事例として登場してます、マリファナの売人で捕まったボーイフレンドの刑をポジティブ思考で待つ女性です。
つまり、ポジティブな空想にはいいところがたくさんある。ただ、状況次第なのだ。ダイエットや禁煙や就職には役に立たないかもしれないが、砂漠で生きながらえるとか、政治的弾圧の下で生き延びるとか、マリファナの売人をしたボーイフレンドに裁判官が刑を宣告するのを待つには、たしかに役に立つ。とにかく大切なのは、空想にできる以上のことを求めないことだ。その力と限界を理解しているかぎり、ポジティブな空想は束縛でなく協力者として働いてくれる。
「夢見るだけで実現できる」とやみくもに思うのが間違っているのと同じように、「夢見るなんてムダだ、意味がない」と頭ごなしに否定するのもまちがいだろう。
つまり、つらい状況下では『ポジティブ思考』が役に立つということですね。なるほど。
例えば、ダイエットなら、「やせたら好きな人に振り向いてもらえる」というケースでは、ダイエットに失敗するかもしれません。しかし、「ダイエットしなくては死ぬ、でもやせれば長生きできる」というケースなら成功するかもしれないということです。後者のようなつらい状況を乗り越えるためには、ポジティブ思考が必要なのです。
ポジティブ思考が成功のさまたげになる理由
ポジティブ思考のメリット・効果的なケースがあるのはわかりました。では、そんなポジティブ思考が、何故、成功のさまたげになるのでしょう。
将来について夢見ることは、人の認知ーつまり世界をどう知覚するかーに影響する無意識レベルに作用するのだ。人は何かを夢見るとき、思い描いた将来を喜ぶだけではない。夢見ているとき、人の心はだまされて、その将来が成就したのだと本気で考えてしまう。少なくとも人の心にとっては、夢見ることが行動の代わりになる。しかも(短期とはいえ)かなり真に迫っている。本書ではこのことをすでに確認してきた。夢見ることが行動の代わりになるからこそ、ポジティブな空想は将来の可能性を探るのに役に立つのだ。
なんと、ポジティブ思考すると行動したつもりなってしまうため、実際に行動しなくなるとのことなのです。
何度もポジティブ思考で目標達成に失敗している理由がわかりました。やった気になってしまうからだったのですね。これでは、時間やお金をいくらつぎ込んでも意味がありません。
一体、どうすればいいのでしょう。
メンタル・コントラスティング
その解決策として、メンタル・コントラスティングがあると本書は言います。メンタル・コントラスティングとは何でしょうか?
人を立ち上がらせ、前進させる最高の方法は、ポジティブに夢を見たすぐあとに、夢へと続く道に立ちはだかる現実と対決させることかもしれない。
私はこの仮説をメンタル・コントラスティング(「頭のなかでの対比」)と名づけた。メンタル・コントラスティングによって空想を現実で裏打ちできれば、夢の鎮静効果を封じて、直接的な行動を促すツールとして夢を活用できるかもしれない。
まずメンタル・コントラスティングは、夢だけでなく「現実も見ろ」とそういう手法のようです。
メンタル・コントラスティングは、実現可能な願いを追いかけているとき、行く手をふさぐ障害を見つける能力を高め、願いが実現可能でないとき、障害を見つける能力を低下させる。メンタル・コントラスティングをした子どもは、目標を追いかける態勢が整い、不意に現れる予期せぬ障害に対処するための備えができていたのだ。
目標を立て、現実を見て、障害を予測し対処していく。そのサイクルで目標達成精度を上げていくのが、メンタル・コントラスティングだということがわかりました。
なんだか難しい気がしますが、心配ご無用でした。そのメンタル・コントラスティングはツール化され使いやすくなっていました。
それが、WOOPなのです。
WOOPの法則とは
WOOPの法則:4つのステップ
たとえその目標が、短期であっても長期であっても関係なし。学生だとか、社会人だとか、子どもだとかも関係なし。どんな状況でも助けになるWOOPとはどんなツールなのでしょうか。
それは以下の4つのステップで構成されております。
①W(wish)~願い~
まず、自分の目標を設定します。ポイントは通すぎる目標ではなく、一定期間(1年、1ヶ月、1週間、1日など)で達成できそうな目標を立てます。紙に書くとよいです。
例:3ヶ月以内に10kgやせたい!
②O(Outcame)~結果~
願いが叶ったときをイメージしましょう。達成した状況を紙に書くとよいです。
例:10kgやせるのに成功、異性にモテモテだ!
③O(Obstacle)~障害~
ここがポイントです。その目標の妨げになることを考えましょう。自分の内部要因、外部要因、さまざまな理由があるはずです。自分の中の何が原因なのか、どんな考えや行動が目標達成の妨げになっているでしょうか?
例:つい、ケーキを食べてしまう。 友達に飲み会に誘われて、食べ過ぎる。
④P(Plan)~計画~
ここでは③の障害に対して、克服するためにはどんな方法があるか、回避するにはどんな方法があるか考えましょう。
もし〇〇なら〇〇するというように「もし障害なら行動する」方式で考えます。
例:もし、ケーキが食べたくなったら、ナッツを食べる
ポジティブ思考を捨てなさい:本から学んだこと
現実を見てコツコツ進もう
WOOPの法則。こんなシンプルな方法でも、心理学的な実験をもとに作られているので、かなり効果あるようです。
目標立てただけでは駄目で、障害を考えて、その障害への対応方法も考えることで、目標達成する可能性が高くなるなんて、まったく気がつきませんでした。もっと人生の早い段階で知りたかったです。
魔法なんてあるわけなく、正しいやり方で目標設定し、コツコツと小さな成功を積み重ねて、時間を味方にしていくことが、ビジネスのなどで成功する近道なのでしょう。
若いうちにWOOPの法則を学び、目標にチャレンジできる人が羨ましいです。WOOPの法則は、目標立てただけで挫折してしまった方や、自己啓発から脱出したい方などに、参考にしていただければと思います。
成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則