あなたは転職活動で屈辱的な想いになったことがありますか? もしあったなら、自分は社会からは価値がない人間だと思いましたか?
私も20代後半のとき、順調でない転職生活を送ってたことがあります。
まるで、罰ゲームを受けているかのように、ことごとく交通費を出費し続けた日々。
まるで、社会から抹殺されたかのように、どの企業からも「お断り」された日々。
まるで、クズを見るかのような冷えた視線に耐えた日々。
そんな転職活動から抜け出しやっと就職できたわけですが、屈辱的な日々を通して、会社に勤めることへの価値観が変わる出来事がありました。
今回はそんな話を書いてみたいと思います。
目次
ある日の転職活動から会社勤めとは何かを学ぶ
おそるべし就職氷河期、会社勤めできない
私が20代後半頃といえばバブルがはじけた後の就職氷河期が続いていたので、転職活動はかなり厳しいものでした。
でも、私自身はすぐに就職が決まる気がしてました。なぜなら、バイトでは使える人材だったため、自分はできる人間と思っていたからです。今思うと恐ろしい自信です。
しかし現実は、ただ単に履歴書をバラまいているだけで、就職先が決まりません。無駄に交通費を出費しているだけであり、コストもかかります。何社に応募したか、当時も記憶できなかったくらい多かったと思います。
履歴書代だって、それなりに書いていれば、費用がかかります。一発で落とすくせに履歴書を返してくれない企業がほとんどなのです。しかし履歴書って何故返してくれないのでしょうね。いまだに疑問です。
こういう企業から選ばれない状況が長く続くと、生きていることの意味を悪く考えてしまいます。もはや就職活動も、どんな仕事がしたくて応募しているのかが、わからないくらい手当たり次第になりました。
面接前に採用辞退の理由を考える
忘れもしないその会社は、たしかコスメ系の会社だったと思います。
面接の待ち時間で、アンケートを書かされました。志望動機や価値観など、よくある質問に対して私の考えを記入するものでした。
結構、かっこいいことを書いたつもりでいたことを記憶しています。しかも、採用されたつもりになっていて、どう採用辞退するかの台詞を考えていたくらいです。
なぜ、採用辞退しようとしているというと、そもそもコスメという仕事が、やりたい仕事ではないからです。給料が良かったので応募しましたが、実際に会社に行ったときに雰囲気に触れ、面接当日になって嫌になってしまいました。まったくもって最低な男です。
社長の言葉に昇天!
アンケートに記入後、それほど待たされることなく、面接官が登場しました。面接官はその会社の社長であり男性です。40代後半~50代前半くらいの雰囲気だったことをなんとなくですが記憶しております。
対面に座り、社長が私のアンケート回答を読んでいます。ほとんど斜め読みと言っていいくらい、さらっと読まれた後、話始めました。
会社に勤めるからあなたは○○会社の誰々ですと名乗ることができ、クレジットカードが作れたり、社会のサービスを受けるための信用を得ることができる。
会社があなたに信用を与えるんです。わかりますか?
会社に働いていないあなたを信用して、サービス提供してくれるところがありますか?
提供してもらえるなら働かなくていいですよね。
でも提供してもらえないのが現実ですよね。
それだけの社会的信用を、会社はあなたに与えるんです。
だからこそ、社員は会社のために働いて当たり前なんです。
そしてがんばればがんばった分だけ、給料が貰え、地位もあがるのです。
ドーンと額を打ち抜かれたような、ショックを受けました。我が心、ここにあらず状態でした。
面接に落ちたことが確定したことがショックだったからではありません。フルつもりがフラれたからでもありません。その社長の言ったことに心の底から納得できたからです。
会社勤めとは何かの答えに気づく
ことごとく面接に落ちてた時期でしたから、「俺なんて、会社勤めしない限り、社会からは価値のない人間なんだ」って思ってました。でも志望した会社は、「未経験OK!かつ給料と待遇がよい」で選んでました。価値のない人間が、待遇で選んでいるのです。
なんて失礼なことをしていたのでしょう。価値がない人間がよい待遇で迎えられるわけありません。
社会では、どこに行っても勤め先を書くことが多いです。会社員にならない限り、クレジットカードだっては作れないことがほとんどでしょう。たしかにそうです、社長のおっしゃるとおりです。
言葉が出ませんでした・・・
やっと声をしぼり出し、「本日はお時間いただきありがとうございました」と、退出するのが精いっぱいでした。
「会社勤めすることで、社会人という価値を与えてくださる。だからこそ、私は会社に奉仕する。」わかりやすい理屈です。
社会からみたら、私の替わりはいくらでもいますので、私なんて対して価値のない人材なのです。コスメの経験なんてないくせに、志望動機で社長の心を打つ文章を書けるわけがないのです。
会社は選ぶ側で、私は選ばれる側。選ばれる側が、えらそうに選んでいたわけです。
社会をなめるな!身の程をしれ!
その社長は、それが言いたかったんだと思います。
心を入れ替える
不思議です。その社長の言葉はその後ずっと私の心に残ってます。顔は思い出せないのに、言葉は残っております。その言葉を怒りではなく、反省として捉えることができたのは、私自身が自分を変えたかったのかもしれません。
会社に尽くすのは当たり前、サラリーマンなら当然のこと。
なぜなら、会社勤めするおかげで、社会から信用していただくことができるから。
その出来事以来、会社選びは給料や待遇で適当に応募するようなことはやめ、「選んでくださればありがたい」という謙虚な気持ちで就職活動しました。
その後、就職できた時は、選んでいただいてすごくうれしかったのを覚えております。やっと社会から信用できる人と思われるようになったわけですから、安心しました。
会社勤めとは何か?まとめ
会社に感謝、上司には・・・
転職活動や会社選びは、自分の価値観や将来について考えされられます。私のように180度考え方が変わることもあるでしょう。
会社とは、選んで勤めるものだと思ってましたが、選んでいただいて勤めるものでした。(あくまでも私の場合です)
会社勤めするからこそ、社会サービスを受けれるわけですし、結婚相手の親からも認められるわけです。だからこそサラリーマンが会社に尽くすのは当たり前のことだ思います。もちろん身も心もボロボロになるまで尽くせという意味ではありません。そこは誤解していただきたいくないです。
もし、あなたの会社勤めに関する考え方が、私の若い頃の考え方に近いようでしたら、自分に社会人という価値を与えてるくれる会社に対して、ほんの少し感謝する気持ちをもってはいかがでしょう。
あと、念のため言わせていただきますが、会社勤めに関しては感謝しますが、ダメな上司に感謝しません。それとこれとは話が別ということをご理解いただけると助かります。