成人発達理論



仕事ができないのは何が原因か考えたことがありますか?人の能力と成長について学びましょう。

「あれでリーダー?全然できなくない?本当に管理経験あるの?」もしかして、新しく配属されたリーダーに対し、そんな陰口を叩いたりしていませんか?

あるいはリーダーの方、「おかしい、今までできていたのに何故できないのだろう」と悩んでいませんか? 経験を買われ、新しいチームのリーダーを任されたのに、思うように能力を発揮できず、部下の白い目が気になっていませんか?

「何故、仕事ができないのか?」と悩む前に、あるフィルターで自分や部下を見てみましょう。そしたら出来なくて当然だと思えるかもしれません。「何故出来ないことがあるのか?」そのことについて詳しく説明されている良書があります。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法です。

 

ダイナミックスキル理論とは何だ

本書はダイナミックスキル理論の活用法を学べる本です。
ダイナミックスキル理論というのは、カート・フィッシャー教授(ハーバード大学教育大学院教授)が提唱してる『人の能力(スキル)の成長』についての理論です。

ダイナミックスキル理論は、私たちの能力がどのようなプロセスとメカニズムで成長していくのかを説明してくれるものです。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法(P34)

以前紹介させていただいたロバート・キーガン教授(ハーバード大学教育大学院教授)の理論は、『人のの成長』についての理論です。能力と器の違いがありますので、混同しないように注意が必要です。( icon-arrow-circle-down の記事で紹介しております)

なお、2冊とも、著者は加藤洋平氏です。『人の器』と『人の能力』、両方の成長について学べますので、2冊とも手元に置いておきたい本だと思います。

この本を購入した理由は、自分自身にしても、他者にしても次の課題を解決したかったからです。

icon-check 「仕事ができない」原因は何か? できるようになるために解決方法は何か?
icon-check 人の成長には目標設定が必要かもしれないが、目標がなくても人として成長する方法はないだろうか?

本書の理論は、上記2つの課題への解決として、かなり勉強させていただくことができましたので、その点について触れてみたいと思います。

仕事ができない理由と人の能力

非常に参考になったのが「仕事ができない」という状態に対する理論的な説明です。この理論を知ると、自分にも他者にも優しくなれる気がします。

人の能力の環境依存性

※能力は、特定の状況において発揮される。

つまり、以前の会社でリーダーシップを発揮できたとしても、新しい職場では発揮できない可能性があるということなのです。

●私たちの能力は「環境依存性」という特徴を持つ。環境とは、状況と言い換えることができ、私たちの能力の種類とレベルは、置かれている状況に応じて変化する。
●私たちの能力は、置かれている状況の種類や特性に左右されるため、能力を開発するためには、取り巻く状況の種類や特性を見極めることが最初に求められる。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法(P53)

ですから、「前の職場ではできていたのに・・・」って自分を(他者を)責めるのはやめましょう。環境依存性がある以上、新しい職場で仕事ができないのは当然なのです。

人の能力の課題依存性

※能力は、課題の種類や性質が変わると、発揮する能力の種類やレベルが変わる。

たとえば、リーダーシップ能力を発揮する必要があるとします。今回発揮すべきリーダーシップ能力がプロジェクトの「進捗を管理する課題」と「部下とのコミュニケーションの課題」だとします。

この場合「進捗を管理する能力」は得意だけれども、「コミュニケーション能力」は不得意だというように、課題が変わると能力が発揮できないことがあります。そして不得意な「コミュニケーション能力」は、ロールプレイなど具体的な課題に取り組むことで、コミュニケーション能力を上げることができます。逆に、上げたい能力に関係がない具体的な課題に取り組んでも意味がないのです。

●私たちの能力は、「課題依存性」という特徴を持つ。これは、課題の種類や性質が変わると、私たちが発揮する能力の種類やレベルが変わることを意味する。
●私たちの能力は、特定の課題に対して発揮されるわけではなく、具体的な課題を通じてしか育まれないという特徴を持つ。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法(P60)

環境依存性と課題依存性、言われてみれば当たり前かもしれませんが、普段は意識していないことが多いと思います。

「以前の会社で出来ていたんだから、うちの会社でも、出来て当たり前。何故出来ないのだ?」
「リーダーなら、あれもこれも出来て当たり前だ。なぜリーダーのくせに出来ないのだ?」

もし、そんな風にレッテルを貼ってしまったら、「それは違う。環境依存性や課題依存性が原因で出来ないこともある」そう考え直す必要があります。そのことを本書から学べたことは、自分を成長させる上で何よりの収穫です。

人の能力を向上したかったら、サブ能力を特定しよう

サブ能力とは何でしょうか?

私たちがある特定の能力を伸ばそうとする時に、能力の種類を明確化することの重要性を先述しましたが、さらに重要なのは、1つの能力には、それを構成する細かな能力が含まれていることです。1つの能力を構成する小さな能力のことを「サブ能力」と呼びます。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法(P75)

このように、状況や課題を考慮して、1つの能力を構成するサブ能力を特定していくことが、能力開発の上で最初に求められることです。

成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法(P77)

リーダーシップ能力を一つをとっても様々なサブ能力があります。例えば、「信頼性獲得力、ビジョン構築力、組織統率力、指導力、変革実行力、レジリエンス、目標達成力、自他成長支援力」などがサブ能力です。

こうやってサブ能力を特定して、それぞれを向上させていくことでリーダーシップ能力が上がっていくと言ってるわけです。

そのため、ただ漠然と「リーダーシップ能力を上げろ」という指示では、リーダシップ能力は向上しなくて当たり前なのです。このことに学べたとき、なんだか頭の中に新鮮な風が吹いてくれたような爽快感がありました。

「仕事ができない」とレッテルを貼る前に、求められる能力のサブ能力を特定して、「できていること」と「できないこと」を分け、できないサブ能力を向上させる。そうやって、自分や他者を育てればいいかもしれません。また、サブ能力を特定することは、何が苦手で何が得意がわかるわけですし、人それぞれの状況に合わせた育成計画が立てられます。

そのようにやれば、能力が向上した(向上させることができた)かもしれないのに、1つできていない能力があったことで、全部のサブ能力ができていないと決めつけてたことがある人は、きっと多いと思います。その点は私も大反省すべきところです。

「環境依存性や課題依存性があるのだから、人は万能でなくて当たり前。また特定の能力を向上したかったら、サブ能力を特定して、サブ能力を高めていくようにする。」よい気づきになりました。

成人発達理論による能力の成長:まとめ

学びがたくさんあるダイナミックスキル理論

正直、なかなか難易度が高い本でした。しかし、各章末に「要点メモ」があり、理解の助けになりました。各章の読了後に「要点メモ」でおさらいし、内容を復習できるのはありがたい構成です。難しい理論をなんとかわかりやすく伝えようとする著者の親切心でしょう。

また本書には「成長のレシピ」という課題があります。全部で18レシピです。このレシピは、後半に進むにつれ、難しくなります。「できるかな?」と思いましたが、「おわりに」を読み、著者の意図が確認できました。

 特に、本書の中で取り上げた「成長のレシピ」のいくつかは、1人で実践を進めることが難しかったのではないかと思います。実はそこに著者としての意図がありました。つまり、成長のレシピをもとにしたエクササイズを、ぜひとも周りの方々と対話しながら取り組んでいただきたい、という想いがあったのです。
本書の中で言及したように、私たちは1人で成長することはできません。私たちは、常に取り巻く他者の力を借りながら、一つ一つ成長の歩みを進めていきます。本書を持ち寄り、人間の成長について、取り巻く人たちと共に対話と実践を行い、本書で紹介した概念や理論が、能力開発の現場における共通言語になれば幸いです。

なるほど、著者の想いはそういうことでしたか。「成長のレシピ」を通して、読者にコーチングしていたのですね。

まずは仕事ができない原因を見極めよう

仕事ができない原因については、器の問題能力の問題かは見極める必要があると考えされられました。

きれいごとなのは承知ですが、この別々の要素を見極めることもせず、「仕事ができない人間」とレッテルを貼るのは乱暴な判断でしょう。器の問題なら器が向上する接し方(指導)をしてみたり、能力の問題ならサブ能力を特定し、苦手なサブ能力の向上に努める。

そうやって、育成能力を高めていけば、自分自身もまた、良い人間へと成長していくのだと思います。

 

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