成人発達理論



リーダーシップで大切なこととは何か?その答えは成人発達理論から教わりました。

どんなリーダーになるべきなんだろう?
自分には、リーダーとしての能力があるのだろうだろうか?

ちょっと自分に自信がない方が、リーダーに指名されたならきっとそんな風に悩むことでしょう。でも、きっとそれは、自信がないのではなく、責任感だと思います。

責任感があるからこそ中途半端なリーダーになりたくないと日々悩む気持ちがあるかと思います。そんな悩みを持っている方に、よいヒントを与えてくれる本があります。

久しぶりに発売されました成人発達理論の新刊、「リーダーシップに出会う瞬間」を紹介いたします。

リーダーシップとは?

リーダーシップが苦手な人こそ読んでほしい

リーダーシップがない。
昨今、リーダー的な人に求められるリーダーシップ能力はハードルが高く感じます。
そもそもリーダーシップという言葉、よくよく考えてみると抽象的な言葉です。

具体的にどんな能力が求められるのでしょうか?
『統率力、忍耐力、行動力、指導力、メンタルヘルス、管理監督・・・』まだまだあると思いますが、かなり大変です。
もし、これらをすべてこなさなければならいないなら、リーダーになることじたい酷な話です。というより、これらをすべてこなせる人がいるのでしょうか。

いやいや、なかなかいません。
多分、皆さまもっと雑です(いい意味で)。だからこれからリーダーになる人は、安心してリーダーになってほしいですし、今リーダーなら苦手に感じることはないと思います。

リーダーシップは全員が持っている

では、リーダーシップとは何でしょう。
本書は、主人公青木美智子(31歳)さんの成長物語です。青木さんとメンターの森尾友子課長(44歳)とのやり取りが参考になりますので、28ページから引用してみます。

「リーダーシップとは、つまり、影響力です。」
「影響力・・・」
「そう。影響力。リーダーシップの定義っていろいろあるけど、結局は2人以上の人が存在するときにそこに起きる影響の与え合いのことじゃないかな、と私は思っているの」
「なるほど、私はリーダーシップとは、部下に何か行動が起こるように仕向ける具体的な行動のようなものだと思っていました」
~(中略)~
「何をするか、じゃないのですね」
「何をするかではなく、どうあるか、ということかしら。リーダーシップとは、Doingではなく、Being、ただそこに居るだけで発してしまう、その人の存在感とか、
その人に宿る雰囲気というか、つまり、在り方なのだと私は思っています」

「(中略)」の箇所は肩書きや立場に関わらず全ての人がリーダーシップを発揮していると述べられてます。なぜなら誰だって、人に影響を与えているからです。

リーダーシップとは全員が持っていて、リーダーシップとは影響力、リーダーシップとは在り方、ここがポイントですね。この影響力と在り方と理解するためには2つの発達現象を理解する必要があることがわかりました。

リーダーシップに潜む二つの発達現象について

2つの発達現象にどんなものがあるかというと・・・

1つ目は、『水平的発達』と呼ばれる現象です。
リーダーが発揮する種々の個別具体的な能力の種類が増加していくことを言います。
シンプルな言い方をすれば、何かが出来るようになっていく種類が増えることを言ってると考えてよさそうです。

2つ目は、『垂直的発達』と呼ばれる現象です。
スキルには深さが存在していると言われています。

スキルの深さについて、リーダーシップを例にするなら、リーダーとしての在り方を意味しており、在り方というのは「人としての器」とも言えます。つまり、「人としての器」を磨いていくことは、『垂直的発達』になるわけですね。

そして、影響力というのは『人としての器の深さ』と関係しています。器が大きい人の影響力と器が小さい人の影響力が、他人に与える影響が違うことは、想像できます。

だからこそ、自分の影響力の起点をちゃんと自覚することが大事になります。

影響力の起点とは?

では影響力の起点って何でしょう。本書37ページの森尾課長のセリフを引用します。

「さて・・・、自分が発している影響力というものは、自分の外で起きていることを自分がどのように認識しているかで決まるの。その認識から自分の行動が選択され、それが周りへ何かしらのインパクトを与えるからよ。さらに、もう少し厳密に言うと、実は行動を選択する前から、つまり、自分の外界を意味づけしている瞬間から、影響力は発信されているのよ」

抽象的な表現ですが、この考え方は、心理学にはよく登場してきますね。認知行動療法のABC理論も似たような理屈です。

具体的に言えば、出来事をどう認識するかでどう行動するかが決まります。

上司に指摘された⇒自分はできない人間だ⇒落ち込んで仕事を休む
上司に指摘された⇒これはいい機会だ、次に活かそう⇒仕事を頑張る

というように、出来事の捉え方でまったく違った行動につながっていきます。

報告がない部下に対し、細かな報告をすることが大事だという価値観のリーダーは頭に来て叱るかもしれません。
自分で仕事すべきだという価値観のリーダーなら自立した行動で素晴らしいと褒めるかもしれません。

つまり同じ出来事でもこの二人のリーダーは影響力の起点となる価値観が違います。その起点の違いが、エゴリーダーになるかコアリーダーになるかにつながっていくこともわかりました。

リーダーシップ像:エゴリーダーとコアリーダー

エゴリーダーとコアリーダーの違いについて、詳細は本書を読んでご確認いただけたらと思います。

私なりの理解ですが、エゴリーダーというのは自分のエゴイスティックな部分を起点として人への影響を与えてしまう人です。

「あいつは使えない」と考えて、傷つくようなことを平気でいうのは、エゴイスティックな部分を起点として影響を与えてます。

一方、コアリーダーというのは、自分の思いの核となる純粋な願いを起点に影響力を発することですと説明されています。

ここは、言語化するのが難しいですが、相手のことを考えて影響力を発揮できる人というのが近しい表現だと思います。

エゴリーダーが「使えない」と言ってる人を、「どんなことが得意だろうか」という視点で見てくれる人でしょう。

想像してみてください。部下はどちらのタイプのリーダーの下で働きたいと思うでしょうか?

考えるまでもないですね^^

ガーン!私は道具主義的段階だった・・・

自分のことは自分で解決している方なら、なんでも他人任せな人には頭に来てしまうことがあるでしょう。

もしかしたら、「あいつは使えない」「あんな奴はいらない」そんな言葉を走ってるかもしれませんね。
無理もないことです。

でも、「あいつはいらない」とか「あいつは使えない」とか、そういう言葉を使う人というのは、成人発達理論では道具主義的段階と呼ばれる段階の人なのです。

成人発達理論の発達5段階

成人発達理論には5つの意識段階があります。

発達段階1 具体的思考段階
発達段階2 道具主義的段階(利己的段階)
発達段階3 他者依存的段階(慣習的段階)
発達段階4 自己主導段階
発達段階5 自己変容・相互発達段階

成人は、発達段階2以降で、発達段階5まで4段階あります。

恥ずかしい話ですが、私が道具主義的段階だったことがわかりました。

どういうことかと言いますと、前述した「あいつはいらない」という言葉を使ってしまっていたからです。

自分のことは自分でやるよう気をつけているせいか、人任せで自分で何もやらない人を道具的に見てしまっていました。

成人発達理論や原田メソッドを意識して、自分を良い方向に鍛えてたつもちでしたが、人に対し道具的な感情を持っていたことで自分の意識の発達を止めてしまっていたのです。

個人的には自己主導段階にいるのではと思っていただけにショックです。

本当に情けないですし、勘違いも甚だしいです。

でも、ここで自分が勘違いな人と気づけたのは収穫ですし、修正するチャンスになりました。
また、我が身をもって成人発達理論を体験できました。

本当に、いいタイミングで読んだと思います。

リーダーシップの条件:視野の広さ

では、よいリーダーになるにはどうしたらよいのでしょうか?
その質問に対する答えとして、P52の森尾課長と青木さんのやりとりを引用してみます。

「2つあります。まず、いつも自分の状態を観察すること。起点を見ること、ね。」
そして続けた。
「そしてそのうえで、一つ一つ、丁寧に枠の外の体験を積むことです」
「体験ですか?」
「そう、視野の広さとは、知識ではないから」
「視野は知識ではない?」
「そう、ただ知っているだけ、と、体験したことがある、には大きな差があるからね」

常に自分の感情を観察する、そして学んだことなどは体験していく。
そうすることが、単なる知識では終わらない、視野の広さを持つことにつながっていくことになるわけですね。

「リーダーシップに出会う瞬間」の感想

いかがでしょうか。リーダーシップとはの答えが見つかりそうな本だと伝わりましたでしょうか。

個人的には、成人発達理論の学習だけでなく、「自分のやりたいことを探すということは、自分がリーダーシップを発揮し影響力を与えることができる環境・世界を探すこと、創ることだ」と気づきにつながりました。

あなたも、自分のリーダーシップを探してほしいと思います。

成人発達理論は、本を読むたびに奥深い学びがあります。私もこのブログで何度か紹介させていただいておりますが、まだまだ理解しできておりません。それでも、今後も自分の能力の発達を意識していきたいと思います。

きっと何かヒント得ることができると思える本なので、紹介させていただきました。

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