目の前で、同僚が言い争いをしている。そこへ自分が会話に混ざり、ちょっとしたテクニックを使ってなんとかうまく収めてしまった。
もし、そんな場面で役に立ちそうな対人スキルがあるとしたら学びたいと思いませんか?
参考になる本があります。心理療法の本ですが、職場で活かせるテクニック満載です。私は、何度も何度も読み返しております。
こんな人にオススメ
・セラピスト、カウンセラーなど対人援助職の方
・カウンセリング勉強中の方
・組織に属し、円滑なコミュニケーションを学びたい方
・システムを変化させる方法を学びたい方
システムとは「部分と部分が相互に影響を与え合っている全体。あるいはそこで繰り返し見られる円環的な相互作用のパターン」のことです。(P2)
システムズアプローチ
「システムズアプローチとは」については、著者の東豊氏は、「はじめに」の中で以下のように語ってます。
システムズアプローチとはシステム論に基づいた対人援助の総称です。
個人や集団を「システム」として円環的に理解します。そして、「システム」に変化を促すといった意識をもって、さまざまな方法で対象に働きかけます。個人、家族、学校、会社、地域など、対象を選びません。
最後の一行がポイントです。
システムズアプローチというと家族療法の別称のように思われる方もいるかと思いますが、そうではなく、もっと広い意味があるということを言っています。
つまり、職場にも役立つ知識だということです。だからこそ、今回紹介させていただいてるわけであります。
この本に、ある教育現場の不登校に関する実践例が紹介されています。そこで中心になった登場人物、淺谷先生の活動が、まさに参考になるの一言。
ネタバレになるので簡単に説明しますが、淺谷先生は関係者とのコミュニケーションにおいて、ネガティブなコミュニケーションが循環しないようポジティブなコミュニケーションの循環を心がけて、誰も責めずに問題を解決しています。
その淺谷先生の動き方が、職場に置き換えて使える理論だなというイメージを持たせてくれます。
それは、人とのコミュニケーションにおいて、相手の発する言葉を常に肯定的に捉えることは、抵抗を極力生まずに、組織・個人に変化を与えることができるんだというイメージです。
誤解がないように補足しますが、本を読んだだけでシステムズアプローチができると言ってるわけではありません。それは無理な話です。
人とのかかわり方のコツ・ヒントが満載なので、心理療法の学習として読むのではなく、あらゆる人とのコミュニケーションに役立つテクニックを学習するとして読める本です。
ロールプレイ集から学ぶ
この本の後半は、ロールプレイ集です。これが、ヒント満載なんです。学生相手のレクチャーの中にテクニックがちりばめられてます。
カウンセリング勉強中の方は、目から鱗が落ちまくりでしょう。
カウンセリングもしくはロールプレイしていると、クライアントの言葉に対して、どう言葉を返していいかわからなくなるときがあります。それは、クライアントがネガティブなことばかり言ってくるときです。
傾聴だけでは、会話が続かないパターンもあるし、そういう状況にはまることはカウンセリングの現場ではきっと多いと思います。
しかし、著者の教えは、それらの悩みに対する答えを教えてくれてます。もちろん教え通りにできればですけどね。本当に、著者の教えのようにコミュニケーションとれたら、どれほど対人関係が楽になることでしょう。
もし、あなたが職場の人間関係(システム)に悩んでいたら、この本から得たテクニックを上司や部下、お客様に使ってみましょう。
うまくいけば、相手に気づかれずに、いい変化が生まれ、楽になりますよ。
心理療法の本の中では、読みやすく、職場に活かしやすいので、是非一読下さい。