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感動の涙か悔し涙か? BLUE GIANT、映画と漫画の違いも楽しみのひとつに

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映画ブルージャイアントは、漫画ブルージャイアント4巻から10巻までを映像化したものだ。
世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公宮本大(18歳)が、高校卒業と同時に仙台から東京に上京したところから物語は始まる。

私はジャズのことをあまり知らない。しいて言えば、勉強など集中したいときに、prime musicなどで聞くときがあるくらいだ。しかし本作は、ジャズのことを知らなくても十分楽しめる映画である。きっと、人の成長物語だからだろう。不覚にも40過ぎの凡爺である私が、20歳にも満たない若きジャズプレイヤー達が挫折からの成長していくに姿に泣かされてしまった。
個人的におすすめな映画なので、感想をシェアしたいと思う。

映画BLUE GIANT視聴した感想【ネタバレ注意】

ここから先はネタバレなので、まだ映画を観ていない人はお許しを。
この映画の見どころは、ジャズの演奏シーンだろう。たしかに素晴らしい。が、個人的には次の点だと思っている。
・目標の持ち方
・挫折の乗り越え方
キャラクターごとの、この2点の描き方がとにかく素晴らしいのだ。

BLUE GIANT 登場人物の目標の持ち方はどう違うのか?

まずは目標の持ち方だ。
登場人物である宮本大、沢辺雪祈、玉田俊二の目標の持ち方が見事に違う。コーチングを仕事にしている方からすれば、いい題材になるのではなかろうか。

宮本大は世界一のジャズプレイヤーになるのが夢、だからイケイケどんどん行動する。何をやるにも通過点にすぎないからである。
この考え方は、苫米地式のコーチングそのもので、現状の外側に目標設定するというやつである。(参考本:https://reframenote.com/227.html
現状の外側というのは自分の常識の外。世界一というのがそれにあたる。

沢辺雪祈はソーブルー(日本一のジャズクラブ)で演奏するのが夢。宮本大とは違って、現実的だ。
一般的な目標設定は、沢辺雪祈のようなやり方になるだろう。(参考本:https://reframenote.com/692.html

玉田俊二は、熱くなるものに打ち込みたかったようだ。先のことは考えていない。今を熱く生きたいのである。
こういう人に参考になるのは辻メソッドだ。(参考本:https://reframenote.com/5238.html

余談だが、3人とも目標を紙に書いていないようだし日誌も書いていないようなので、大谷翔平選手の目標達成方法とは違うことを補足しておこう。

これら3人の目標の持ち方は、誰の人生でもよくある話だと思うし、どれが正しくどれが間違っているとは言えない。ただ、ゴール設定が違うと人生がどう変わるかについては、見事に描き分けているところが凄く面白い。原作者が狙ってやっているとしたら凄すぎる。

大きな目標、小さな目標、目標がないなど、目標の持ち方が変わりながら私たち人間は生きていく。だからこそ3人の登場人物それぞれに対して共感を持つことができる。そして、目標があれば、挫折もある。当然、宮本大、沢辺雪祈、玉田俊二も恥や挫折を経験する。そして、乗り越える。

BLUE GIANT 登場人物の挫折・恥の乗り越え方

次は、恥・挫折の乗り越え方、立ち直り方だ。

宮本大の立ち直り

まずは宮本大。
映画ではほとんど挫折シーンがないため、仙台での話になる。つまり漫画の話になる。
宮本大がJAZZ BARで初めて客の前でサックス演奏したとき、常連客から音がうるさいとどなられた。これが、非常にショックな出来事だった。失意のまま夜道を歩き、公園について顔を洗って夜空を見上げる。
そして一言、「へでもねえや」

このシーンは、正直泣いた。腹が空っぽでよかった。何か入っていたら吐いただろう。

そうなのだ、世界一のジャズプレイヤーを目指すならこんなことくらい単なる通過点なのだ。世界に比べたら屁でもないのだ。

沢辺雪祈の立ち直り

沢辺雪祈。
彼の挫折は、ソーブルー(日本一のジャズクラブ)の事業部担当者である平(たいら)に自分たちの演奏を聞いてもらい、その感想を聞いたときだ。
宮本大のサックスと玉田のドラムは好評価だったが、なんと自分のピアノはさんざんダメ出しされたあげく、人間性まで否定されてしまった。天才沢辺の天狗鼻もポキッと折れてしまった。

そんな彼の立ち直りは、失礼な態度で断ってしまった自分にサインを求めにきたファンの家を突き止め、謝罪をし自分のサインを渡した。そこから始めたのだ。

このシーンは、胸が熱くなった。ピアノの技術よりも何を大切にすべきなのか。それに気づいた沢辺の成長が見えるからだ。

そうなのだ、自分の演奏を聴き来ている人はどんな人であるか。その人のためにどう演奏すべきかなのだ。目の前の自分のファンをどれだけ大切にできるかなのだ。己の才能があるからと天狗になってはいけない。

玉田俊二の立ち直り

玉田俊二。
彼の挫折は、3人で初めてライブ演奏したときだ。一生懸命練習してきたけど、何もできなかった。もう少し何かできると思った。やはり自分には積み上げてきたものがない。悔しくて泣いた。

そんな彼の立ち直りは、自分への喝だ。

「大も雪祈も、っつーか全員ぶっ飛ばしてやる」

そうなのだ。挑戦者なのだ。目標というより野心なのだ。喰らいついていくしかないないが気持ちは喰らってやるなのだ。

この3人の恥・挫折の乗り越え方、立ち直り方の演出は本当に見事だと思う。特に宮本大の「へでもねぇや」は本当に泣いた。違和感を感じるくらい感動しため、逆に、なぜ泣いたのか真剣に考えてしまった。そしてどうやら、私の涙は感動の涙ではないこと気づいた。

私の涙は、もう一人の私の悔し涙だ。もう一人の私とは、いつも目標を立てている私だ。その目標を立てている私は、怠け者で勇気がない私に邪魔をされて、やりたいこともできないでいる。だから、目標を立てている私は悔しいのだ。ヘラヘラしているのが許せないのだ。宮本大のように失敗しても、「へでもねぇや」と立ち直ってほしいのだ。

BLUE GIANTはそんなことを気づかせてくれる作品なのだ。

映画BLUE GIANT ラストがひどいとはどういうこと?

BLUE GIANTはラストがひどいと検索すると出てくる。一体、何がひどいのか。

ソーブルー(日本一のジャズクラブ)で演奏することが決定した3人。だが、不運なことにバイト中の事故で沢辺雪祈が、腕に怪我をし夢であるソーブルーでの演奏ができなくなる。それでけではない、腕の再起も怪しく、ピアニストとして絶望的な状況になる。

沢辺雪祈がバイトで事故になるのは映画も原作も同じだが、私もたしかにひどいと思ったシーンである。ストーリーに必要だったのだろうか、この事故は・・・。たしかに事故でピアノが続けられなくなることが解散の原因であり、ゆえに宮本大は海外へ活動の場を移す決意をすることになる。そう考えれば、原作者としては必要な設定だったのかもしれない。

ただ私としては、沢辺雪祈が怪我しなくても3人は解散したと思う。なぜなら、前述したとおり、3人それぞれ目指している目標が違うからだ。ソーブルーで演奏をするのは、現時点での一致点なのである。
現時点での目標が達成してしまえば、沢辺雪祈の目標は達成なのだから、当然新しい目標ができる。それは大とは違うもののはず。玉田も自分の気持ちに一区切りがつくに違いなく、親との約束で学業に専念するだろう。宮本大は世界が目標だから、その先へ進む。このように、それぞれの道へ進むはずであり、そういう終わり方でよかったのではないか?浅い考えかもしれないが。

BLUE GIANTは好きな漫画だけど、上記のような理由により沢辺雪祈の事故シーンだけは不満である。なお、同じようにストーリーに必要とは思えないため、スラムダンクの山王戦で桜木花道が背骨を怪我するシーンも不満であることを付け加えておく。

BLUE GIANT 映画と原作の違いを楽しむ:プロってすげぇな

沢辺雪祈がバイト中に交通事故にあった。その後、ソーブルーでの演奏はどうなるか。
映画では、沢辺雪祈がソーブルーの演奏に参加する。片手だけで演奏するのだ。このクライマックスの演出が、映画と原作で大きく違う点である。細かい変更点はいくつかあるが、クライマックスに関してはあまりにも大きな変更だ。やはり沢辺雪祈がソーブルーでの演奏に不参加なるという漫画の流れには、一考の余地があったのだろう。

その映画のソーブルー演奏シーンは、かなりかっこよく音楽もいい、非常に感動的だ。だが、車に轢かれた体で、しかも片手でピアノ演奏できますかね? ハッピーエンドにしたいからといって、これはあかん。最低限のリアリティは必要なのだ。3人で演奏させたいなら、沢辺雪祈が事故に遭うストーリーをやめればいいだけの話だ。

とはいえ、映画全体を通してみれば、人に薦めてよいと思えるクオリティではある。このラストだからといって評価は下がらない。ただ、個人的にあまりにもリアリティのなさにやや不満なだけだった。

ところがである。映画視聴後の熱から冷めた後日、購入した映画パンフを読んで、ジワッときた。

クライマックスの演奏シーンは、なんと音楽を担当した上原ひろみさんが(https://www.hiromiuehara.com/)、実際に片手で演奏していたことを知ったからだ。

最後のライブシーンで雪祈くんは左手だけで演奏してるのですが、私もレコ―ディングの時、映像と同じように左手だけでプレイしました。この収録は本当に大変でしたね。「ライヴ感を重視すること」、「嘘がない音作りをすること」を心がけましたので、ぜひそのあたりも味わっていただけたらとい思います。

映画BLUE GIANT パンフレットより

「プロってすげえな」
実際に片手で演奏していた。「嘘がない音作りをすること」これで十分だ。リアリティがないとがっかりした後だっただけに、最高の余韻が蘇った。

パンフレットを買って正解だった。上原ひろみさんのおかげで、BLUE GIANTという作品の映画と漫画の違いについては楽しむ箇所として捉えることができるた。
上原ひろみさんの片手演奏のことを知らないで、映画のラストシーンを酷評していたら恥をかいていたであろう。
そしたら「屁でもねぇ」では乗り越えられないだけでなく、クソみたいなやつ確定だったわけだ。あぶないあぶない。

まとめ

時には屁でもねぇやと立ち直れ

人に恵まれなくても、宮本大のように人一倍の努力ができなくても、それでも自分なりに何かを目指していれば、恥をかくこともあるし挫折することもある。そこをどう乗り切るか。

たしかに逃げるもよしだと思う。だけど、宮本大のように「屁でもねえや」と気にしないことも、玉田俊二のように「ぶっ飛ばしてやる」と自分を奮い立たせることも必要なのだ。

たまには立ち向かうかな。逃げ上手になってばかりでは、感動の涙に見せかけた悔し涙を流すことになるのだから。そう言って今日も逃げてばかりの凡爺な私である。

この映画は熱く面白いし、人それぞれ泣けるポイントがあるだろう。挫折からの乗り越える若者を見て、号泣するか悔し涙を流すか。それとも、クライマックスの演奏シーンに感動の涙を流すか。
機会があったら視聴してみてほしいと思う。

映画BLUE GIANTの音楽はこちら

映画の演奏シーンは素晴らしくいい曲ばかりだった。ご興味がある方は次の画像をクリックしてチェックしてみてください(Amazonリンクに飛びます)

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