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いつの間にか溜まってしまった50冊ほどの積読本、もう何年もこの状態をキープしています。必要だと思って購入したのですが、今となっては興味がない本も増えため、お金が無駄になり、本棚のスペースも無駄になり、読んで駄作なら時間が無駄になりと、まさに無駄なことだらけ、我が人生そのもの。
積読本だけではありません。人生のさまざな決定の場面、例えば仕事の選択や資格の取得、スクール費用など、過去に費やしたお金や時間、そして学びが、現時点で役立てることができておらず、無駄になってます。積読本と、我が人生の無駄が同じよなプロセスで重なっているのです。
若くてやる気にある人は、学んで行動してすぐに起業してイキイキしています。私と何が違うのでしょうか。過去のさまざまな選択の連続で私が決定してきたことは、一体、何が間違っていたのでしょう。どう決定すればよかったのでしょうか。良い決定、悪い決定があるなら教えてほしいもの。
しかしながら、その答えは、積読本の中の一冊、「決定力!」を読むことで解決しました(早く読め!)。
目次
意思決定プロセスの本:「決定力!」
チップ・ハース/ダン・ハース著の本は、個人的にリスペクトしています「何が問題であるか、それに対してどう解決すればよいか」が、わかりやすく整理されているからです。本書「決定力!」も、意思決定には4つの罠があり、その4つの罠には4つのフレームワークで対策を取るという、非常にわかりやすい説明になっています。
なお、本書が活かせる意思決定の場面については、次のように述べています。
この本で扱うのは、決断まで五分以上かかるようなタイプの意思決定だ。新車を買うべきか? 新しい仕事を引き受けるべきか? 彼氏と別れるべきか? 厄介な同僚とどう付き合うべきか? 部署に予算をどう割り振るべきか? 自分の会社をおこすべきか?
決断まで数秒しかかからないような意思決定には、この本は役に立たないだろう。決定力!(P44)
今、「決断まで五分以上かかるようなタイプの意思決定」に悩まれている方は、必読でしょう。
では、意思決定はどんなプロセスに沿って進むか、みてみましょう。
意思決定4つの罠とは
意思決定プロセスは、次の4つの段階に沿って進むとのこと。
・選択に直面する
・選択肢を分析する
・選択する
・選択を受け入れる
そして、各段階には次の4つの罠が潜んでいるというのが著者の主張です。
視野狭窄 | 視野狭窄とは、選択肢を狭めすぎ、意思決定を白か黒かで見てしまう傾向のこと |
確証バイアス | ある状況について直感的に信念を抱いたあと、その信念を裏づける情報を探すという習慣 |
一時的な感情 | ああでもないこうでもないと悩んだ挙句、目の前が見えなくなってしまう |
自信過剰 | 自分の予測を過信している。(選択の誤りに備えない) |
まとめると、各段階と4つの罠の関係は、次のようになります。
・選択に直面する。でも、「視野狭窄」の罠によって選択肢を見逃してしまう。
・選択肢を分析する。でも、「確証バイアス」によって都合の良い情報ばかり集めてしまう。
・選択する。でも「一時的な感情」によって間違った選択をしがちになる。
・選択の結果を受け入れる。でも未来の出来事について「自信過剰」に陥りやすい。決定力!(P34~35)
なるほど。私の本の購入も、購入するかしないか(選択の直面)、自分にとって役に立つ内容か(選択の分析)、悩んだ挙句やっぱり欲しくて購入する(選択する)、購入した本で何かを得られると期待している(選択の結果を受け入れる)と、4つの段階を進んでいると言えます。
意思決定のプロセスにどんな問題があるかがわかりました。では、それに対してどう対策を取ればよいのかを見てみましょう。
意思決定4つのステップWRAPプロセスとは
4つの段階に潜む4つの罠には、4つのプロセスにて対策すればよいとのこと。そこで、簡単ですがまとめてみました。
4つの段階(4つの罠) | 4つの対策 | |
選択に直面する (視野狭窄) |
W:選択肢を広げる (Widen Your Options) |
視野狭窄によって選択肢を見逃してしまうことへの対策 例:複数の選択肢、プレイリスト |
選択肢を分析する (確証バイアス) |
R:仮説の現実性を確かめる (Reality-Test Your Assumptions) |
確証バイアスによって都合のよい情報ばかり集めてしまうことへの対策 例:逆を考える、ズームアウトとズームイン、実験による検証 |
選択する (一時的な感情) |
A:決断の前に距離を置く (Attain Distance Before Deciding) |
一時的な感情によって間違った選択をしがちになることへの対策 例:10-10-10フレームワーク(※1)、核となる優先事項を書く |
選択の結果を受け入れる (自信過剰) |
P:誤りに備える (Prepare To Be Wrong) |
未来の出来事について自信過剰に陥りやすいことへの対策 例:未来を幅で考える、アラームをセットする |
(※1:10-10-10フレームワーク:その決断について10分後、10ヶ月後、10年後ならどうするかと考える手法。[P241])
各プロセスの具体的な方法については、上記の表に例として書かせていただきましたが、詳細は本書「決定力!」でご確認いただくとよいかと思います。
本の購入もWRAP意思決定プロセスで
私の本の購入について、WRAPのプロセスをいかすならばどうすれば決定すればよいか?
すぐに思いつくだけでも、次の2つのプロセスを使って検討することができます。
W:選択肢を広げる | 本当に本を購入する必要があるかどうか。 kindleで無料で読めないか。 yotubeなどで動画見つからないか。 メルカリで安く買えないか? |
A:決断の前に距離を置く | 一旦購入を我慢し、ほしいものリストに入れておく 人のお薦め本に飛びつかない 10ヶ月後も必要だろうかと考える |
私は、読書好きのせいか、わからないことは本を読んで解決しようとする癖があり、本の情報を絶対視する傾向があります。ゆえにすぐ本を買ってしまい、すぐに読まず溜めてしまい、それが積読本の増加につながっておりました。
しかし、WRAPプロセスで購入を決定しようとすると、それらの無駄を少なくできることに気づかされます。と、言うよりも、実際に本書を読んで、WRAPプロセスで本の購入を決定することで購入頻度が少なくなったのです。
例えば、欲しい本があった場合、私はAmazonのほしいものリストに入れてキープしておくことにしました。数週間しても欲しい場合は、本屋に行って目次や中身をチェックし、それでも欲しければ購入するというような流れに変えたのです。
不思議なもので、数週間、購入を寝かすだけでまったく欲しくなくなることがほとんどなのです。
私の問題や悩みなんてそんなもんなのです。それはそれで、悲しいですが。
決定力!:まとめ
決定力はスキル、意思決定のWRAPプロセス
私の人生の象徴である積読本の増加は、視野狭窄と一時的な感情が原因です。そのため、WRAPプロセスを使うことで、無駄を少なくできることがわかりました。
職場というか社会では、早い決定が評価されます。そのせいでしょうか、本の購入といった身近なことさえ早く決定する癖がついてました。
しかし、決定は早ければよいというわけではないのは、我が人生の無駄が証明しています。むしろ、早い決定よりも、WRAPプロセスのようなチェックをすることによって、早い決定や遅い決定を選択できることこそが、自分にとってよい決定なのだ思います。そういう意味では、先延ばしも悪いことではないのかもしれません。
人生におけるさまざまな決定。職業、車、住宅、結婚、投資、子どもの名前など、自分自身の決定に納得できている、あるいは満足できている人はどれくらいいるのでしょう。
WRAPプロセスのような意思決定プロセスを使いこなすことができば、もはや決定力は人間力ではなくスキルで身につくものと言えるでしょう。今までの決定は、やり直しはできませんが、今後の人生の決定力は、腕をあげていきたいものです。
なお、積読本が無駄ではないという考え方もありますが、それはすべて読む本だった場合の考え方でしょう。私は、読みたくなくなった本があるので、自分の積読本は無駄だと考えております。積読本を無駄だと決めつけているわけではないことをご理解ください。